【北アルプス】花咲く白馬岳でテント泊登山(猿倉〜栂池高原)
美しい稜線に遅くまで残る雪渓とグリーンのコントラスト、たくさんの花々。
北アルプスでも屈指の人気を誇る白馬岳へ、テント泊装備で登った記録です。
旦那さんが白馬が大好きで、2年前、私にとっては初めての白馬に行ってきました。
山はいつも天気との戦いですが、この時も2日目は雨。その為1日目に歩けるだけ歩き、テン場に着いたときは疲労困憊。その分思い出に残る山になりました。
1、白馬岳とは。しろうま?はくば?
白馬岳(しろうまだけ)は長野県と富山県にまたがる百名山で、標高は2,932mです。
豪雪地帯にあり、春の雪解け時に現れる黒い山肌が「代掻き馬」に見えることから代馬岳(しろうまだけ)→字が変わって白馬岳、と呼ばれるようになったとか。
麓のスキー場は「ハクバ スキー場」、麓の村もハクバという読み方ですが、山を呼ぶときは「しろうまだけ」、と読まれます。
もっとも、地名はハクバなので「ハクバにいく」「しろうまに登る」のどっちでも言いますね。
白馬岳といえば、日本最大の雪渓である白馬大雪渓が有名です。夏でも雪が残る不思議といえば不思議な場所です。また、その豪雪ゆえか、雪解け後の山に高山植物が咲き乱れる花の百名山でもあります。
2、日程、白馬岳ルート(夜行バス利用)
日程︰2017年7月22日〜23日
正確には7月21日の夜行バスで都内を出発し、山に一泊する日程です。
梅雨後、高山植物が見頃となる7月に出かけました。
ルート︰
1日目/猿倉〜大雪渓〜白馬岳〜白馬大池泊
白馬岳に登るのに一般的な猿倉から白馬大雪渓を上るルートで、栂池高原に下山しました。
本来は、一日目に白馬岳頂上山荘や白馬村営宿舎に泊まるのが行動時間としては丁度良いです。この時は2日目の天気が雨になりそうだったので、頑張って白馬大池のテント場まで歩きました。
3、白馬までのアクセス
【往路】
都内から猿倉登山口までの直通夜行バスが出ていて、これが一番便利です。
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猿倉までのバスが取れなかった場合、白馬駅までの夜行バスに乗り、白馬駅から猿倉までのバスに乗り継ぐことで登山口までいけます。(私は猿倉までの夜行バスが満席でとれず涙)
白馬駅から猿倉登山口までは約30分、1,000円です。
同様に、白馬駅までの夜行列車も時期限定で出てているので、本数は少ないですが夏の旅行者は調べる価値ありです。
【復路】
栂池高原のゴンドラ乗り場からバスで長野駅まで。(1,800円)
長野駅から新幹線で大宮経由で帰宅しました。長野からの新幹線は早く帰れるし本数も多いし、とにかく楽です。
4、白馬岳の山レポ
◆白馬駅~猿倉、白馬大雪渓を軽アイゼンで登る
白馬駅を5:55にでるバスに乗り、猿倉登山口に到着です。ちなみに、バスを待たずに駅前で待っているタクシーに何人かで乗ったほうが早いので、コミュ力の高い方は誘ってみるのも良いと思います。私達は誰か誘いたいなーと思いつつ、どうしても声がかけられない小心者なので大人しくバスを待ちました。
7月の登山シーズンということもあり、猿倉登山口は7時前で既に賑わいでした。
お水は100円で補充できます。
ここで登山届を出して、スタート!
6:55 歩き始めます。
最初は整備された登山道を行きます。天気はあいにくの曇りですが、道の両側に夏の花が咲いていて爽やかです。
歩き出しから山が見えるのでテンション上がります。
後から思い出すとキヌガサソウが咲いていました。が、この時は今より輪をかけて花に疎かったので、ふぅ〜ん、と思って写真も撮らず素通りしてました。
8:00 白馬尻小屋到着
ここからいよいよ、有名な雪渓が始まります。
白馬大雪渓は夏でも軽アイゼン必須ですが、万が一忘れたらここでレンタルがあります。でも必ずレンタルアイゼンの数があるとは限らないし、持参が原則です。
広い雪渓ですよね。
恐怖を感じるような傾斜はないですが、アイゼンなしだと歩けません。ストックにも力を借りつつ、一歩一歩進みます。
上の写真が雪渓に近づいて撮ったもの。恐ろしいクレバス=割れ目がありました。崩れないとも限らないですし、近づかないように。
この日は平和な山登りができましたが、白馬大雪渓では事故も度々起きています。
ゴールデンウィークなど残雪期は雪崩が、夏でも落石があるようです。だからところどころに岩があるんだな…と。
疲れては後ろを振り返ります。夏山シーズンで雪渓登りでの渋滞も発生。待ち時間はないですが登りが列になります。ゆっくり自分のペースで登ります。
※顔面が雪焼けするので、女性は特に顔マスクが必須です。
3時間ほど登り、上部に来ると岩が出てきて雪がなくなります。そこには高山植物がたくさん咲いていました。
こちらはクルマユリ。目立つ色で可愛いです。ピンボケ・・・
正直雪の上は歩きづらく、足が重くてかなり疲れました。夜行バス明けで体力なかったのかな?と思うほど。
やっと雪渓抜けた時は標高も稼いで見晴らし良くなり気分上々です。
この階段まで来れば稜線までもうすぐ。
◆白馬岳の二つの山小屋と高山植物の花満開の稜線
村営白馬岳頂上宿舎のテン場が見えました。
窪地になってるから風の影響受けないんでしょうか。
本当は私たちもここで泊まる予定でしたが、翌日の天気が雨、結構雨。そうなると白馬の稜線を雨の中歩くことになる。それなら今日のうちに稜線散歩してしまいたい。。。
色々考え、白馬岳経由で白馬大池まで歩くことにしました。
雲がなかなかとれないですね~。
さて、白馬岳には二つの山小屋があります。
村営白馬岳頂上宿舎と、白馬山荘。
白馬山荘はかなり規模の大きな綺麗な山小屋です。ここで昼食休憩にしました。
12:30 白馬山荘到着!
生ビールがあります!!
午前中いっぱい歩いて汗もかいておなかが空いていたので、ビールとカレーライスで栄養補給しました。美味しい。もう一杯食べれる。普段から週一でカレーを食べる私ですが、山で食べるカレーは最高です。
このままここでダラダラしたくなる気持ちを抑えて、また歩き始めます。
白馬山荘は白馬岳の山頂まで徒歩20分の距離。
稜線上にあり、周りにはウルップソウが咲いていました。(終わりかけ?)
ウルップソウの周りの黄色いお花も名前があるのだろうけれどわからず。
そして、標高2,932m 白馬岳登頂!
曇りだったけれど、時々雲の切れ間から夏山らしい稜線が見えます。
高い山が連なるのは本当にかっこいい!
この稜線、疲れているのにどこまでも歩きたくなります。
白馬岳はさすが「花の百名山」だけあり、小さな高山植物のお花がたくさん咲いていました。
白い花はチングルマ?私のスナップ写真では伝わらないですが、お花の群生は見ごたえあります。
3,000m近くある山岳地帯で綺麗に咲くお花ってすごいなあ。生命力すごいなあ。
お花が風でゆらゆら揺れて可愛らしいです。
雪倉岳方面への縦走路を見やりながら、「次はあっちに歩きたいね」と新しい目的地も見つけました。それくらいパノラマが素晴らしい稜線です。行きたいところがいっぱい出てきます。
稜線からくだり、小蓮華山(これんげさん)に到着しました。
標高2,766m、山頂には剣が刺さっていました。何かいわれがあるのでしょうか。
白馬大池までどんどんくだり、標高を下げていきます。この日は結局曇り時々晴れという天気でしたが、嬉しい出会いがありました。
もうすっかり夏毛です。丸っこくて可愛い~。静かにしなければ!と思うけれど、出会えて嬉しいので無言で興奮しながら写真を撮りました。
◆白馬大池山荘のテント場に宿泊
ようやく白馬大池が見えました。あの屋根の場所まであと少し!この辺もお花が綺麗でした。
16:30 白馬大池山荘到着!
もう夕方です。本当は山小屋につく時間にしては遅すぎますが、予定変更して歩いてやっと辿り着きました。
この日は夜行バス明けで登り始め、9時間歩行でした。当初予定からプラス3時間歩行です。頑張って歩いてヘロヘロです。
白馬大池山荘のテント場は一人1,000円。
幸いにも混雑しておらず、平らでキレイなテン場でした。
テント張ってから、夕食食べてビール飲んで。幸せだなあ。
夜はあっと言う間に寒くなったので早寝しました。
翌朝は予報通り雨。カメラ出せなかったので写真はなしです。
ゴンドラ乗り場までひたすら下ります。所々に水芭蕉など見つけました。途中、一か所雪渓の横断がありますが、ここはアイゼンなしでOK。
この日は雨だったので素通りですが、晴れていたらゴンドラ乗り場の手前にある栂池自然園でお花を見ていくのも良さそうです。
栂池高原までゴンドラで下山して、「栂の木」という温泉で汗を流し、隣の「ふるさと」というお蕎麦屋さんでジンギスカンランチを食べました。
蕎麦屋でジンギスカンという謎取り合わせですが、羊肉大好きなので見つけたときは迷わず入店。
登山後の肉食モードにぴったりです。他にも登山客の姿がありました。鍋っぽく食べる方のジンギスカンで、野菜もたっぷり食べられました。
5、7月の白馬岳登山の服装・装備
【白馬大雪渓登っているときの服装】
長袖Tシャツ/半ズボン/タイツ/帽子/顔マスク
ストック/軽アイゼン
【白馬岳稜線の服装】
上記プラスレインウェアで防寒。
【白馬大池でテント泊。寝るときの服装】
長袖Tシャツ/ダウン/長ズボン/レインウェア(下)※防寒として
ただし、レインウェア(下)はなくても寝れました。テント内は暖かかったです。靴下脱いで寝られる季節です。
6、白馬岳登山の感想
土日だけで白馬に行くとなると、このコースが一番メジャーではないかと思います。高山植物も稜線から見える山々の景色もきれいだったので、本当は3連休でもうすこしゆっくりしたいところです。
白馬岳もいいですが、次は白馬鑓温泉への周回コースや、雪倉岳や蓮華温泉へ延びるコースも歩いてみたいなあと夢が広がった山旅でした。
軽アイゼンだけ持っていけば、危険個所はないので高所恐怖症気味の私でも問題なく登れる山で、近場の山に慣れてきたし夏は高い山に行きたいな、という人に是非勧めたいです。
幸せな山旅ができたことに感謝です!
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