【岩手】花の名峰・焼石岳へ〜銀名水避難小屋泊(つぶ沼コース)
昨年の7月、岩手県の焼石岳(やけいしだけ)に登りました。高山植物と雑誌で読んだ焼石岳のキレイな避難小屋に泊まってみたくて組んだ行程です。思った以上に避難小屋が楽しく、山と宴会と温泉のコンビネーションを楽しみました。
- 1、焼石岳概要 〜岩手の200名山
- 2、日程、ルート 〜つぶ沼登山口ピストン
- 3、焼石岳登山の山レポ
- 4、避難小屋利用登山の持ち物、装備
- 5、焼石岳下山後「ひめかゆ温泉」とわんこそば
- 6、焼石岳登山の感想
1、焼石岳概要 〜岩手の200名山
焼石岳と書いて「やけいしだけ」と読みます。岩手県南部に位置する標高1,548mの山です。
▼ここです。
よく、「百名山より200名山は安定していい山が揃ってる」というのを聞きますが、その200名山です。
(恐らく百名山は山そのものだけでなく、その山岳の歴史や文化などを含めて深田久弥翁が選んだからだと思います)
花の百名山でもあり、6月〜7月上旬は高山植物が咲き乱れます。
そして、秋になると山を紅葉が覆います。紅葉名所の多い東北ですが、お隣の栗駒山と合わせて焼石岳も東北屈指の規模の紅葉が見られます。
2、日程、ルート 〜つぶ沼登山口ピストン
日程︰2018年7月21日〜22日
※普通は日帰りで歩けます。
焼石岳の避難小屋に泊まってのんびりしたい!という思いが強く、わざわざ一泊二日にしました。
焼石岳のお花畑を目的にしていたので、本当は6月中旬〜7月頭がベストなんだと思います。実際、お花畑としては終わりかけでした。
逆に良かったことは、終わりかけにしてもたくさんの花を見れたこと。そして、虫が多いと聞いていましたが、羽虫の時期は終わってトンボの時期になっていたため快適だったことです。虫いなかったです。
登山ルート︰つぶ沼コースピストン
最初は夏油温泉まで抜ける縦走路で行こうと思っていましたが、計画変更。車でアクセスする事にして、つぶ沼からのピストンコースにしました。
焼石岳へのルートとしては、「つぶ沼登山口」と「中沼登山口」の2つがメジャーです。
中沼登山口の方がより山の中まで車で行けるので、歩く距離を少し短くすることができます。ただし、その分登山口までは悪路となり、車を傷つけずに運転するのが大変です。
私達は金曜日の夜行バスで仙台まで移動し、そこから車でつぶ沼登山口へ向かいました。夜行バスの関係で仙台へ行きましたが、電車の最寄り駅としては、水沢駅か水沢江刺駅になります。バスは出ていないので、公共交通機関で行くならタクシー利用が必要です。また、同じように夜行バスを使って現地で車(レンタカーとか)利用なら、仙台よりも盛岡の方が近いです。
▼アクセス参考▼
焼石岳や焼石連峰の最新登山情報はこちら~焼石観光開発連絡協議会
3、焼石岳登山の山レポ
■つぶ沼登山口〜銀名水避難小屋
つぶ沼登山口はキレイな道路脇に駐車場があり、スペースも100台ほど停められます。6月の土日だと中沼の駐車場は早朝から満車になるようなので、混雑を避ける意味でもつぶ沼登山口は便利です。
駐車場にはキレイめなお手洗いがあるので(ペーパーは無し)、こちらを利用して。
10︰10 登山スタート!
緑が美しい森の中を歩きます。
トンボがたくさん飛んでました。7月なのに秋のようです。トンボが登山者の天敵・蚊やブヨを食べてくれてるのでしょう。快適。
日帰りでいける山にシュラフとかマットとか食料とか担いで登る、大荷物スタイルです。男性陣は更に大量のお酒を担いでるのでリュックめちゃくちゃ重くなってました。ビール担ぎ上げありがとうございます!
やがて中沼コースとの合流地点に着きました。まだ晴れてて花が少しづつ増えてきたあたりです。
名前がわかないけど、キレイな色のお花だな〜
かなりハショリましたが、
13︰05 銀名水の水場に到着しました。
つぶ沼登山口から約3時間です。
いくら岩手の山とはいえ、さすがに7月は暑い!水場で水を汲んで(これが銀名水)ガブガブ飲んで、木陰でお昼ごはん休憩にしました。
銀名水の水場から避難小屋は見えないものの、徒歩2分の距離にあります。
休憩後、今日のお宿となる銀名水避難小屋に重い荷物を置きます。(誰もいない避難小屋って、不気味に静かでちょっと心配になる…)身軽になったら、山頂へ向かいました。
■銀名水避難小屋〜焼石岳山頂
13:40 避難小屋から山頂に向けて出発です。
避難小屋撮った写真が何故かなくなってしまったので…上の写真の茶色い建物でした。
ここから先は更にお花が多くなって目を楽しませてくれます。
焼石岳は全体的になだらかで、ゴツゴツしたところの少ない山。草原が続くような登山道でした。
1,500mくらいの場所で樹林帯から抜けられるのは、東北ならではですよね。
銀名水避難小屋から約1時間、姥石平という場所にでました。
ここも見渡す限りの草原が広がり気持ちの良い場所!ただ、この辺から天気が崩れガスってきてしまいました。
山でよく見る、この大きなブーケのような花が好きです。
ミヤマシシウド?オオカサモチ?目立ちますね。
ガスと共に風が強くなってきたので、フードをかぶって歩きました。
下りだと走りたくなる稜線!そして走るとまぁまぁ疲れます。
風が強いのが草のなびき方でわかりますかね。
すっかりガスに覆われましたが、花が目的なのでガスでも私は楽しい。
ところで、村上春樹原作、トラン・アン・ユン監督作品、松山ケンイチさん主演の「ノルウェイの森」という2010年の映画があります。その中で、ワタナベと直子が療養所近くの草原をひたすら歩き回るシーンがあります。
この時の風と草原の感じが、その映画のシーンそっくりでした。
ざわわ。
15:10 焼石岳の山頂到着!
真っ白〜
上から見下ろすような見晴らしはなさそうなので、まぁこれでもいいかな?それにしても山頂なのに誰もいません。二百名山だけど、みんな花最盛期に集中するのでしょうか。
満足したので来た道を引き返します。
■初めての避難小屋宿泊
行きに荷物を置いておいた、銀名水避難小屋に戻ってきました。
入り口には注意書きが。
この山旅が私の避難小屋デビューでしたが、心配していたトイレもきれいで快適に過ごせました。トイレットペーパーは持参推奨されています。ペーパーは置いてありましたが、地元の有志の方が補充してくださっているようです。
小屋の中に小屋ノートがあり、読んでいると、小屋近くで熊が二頭でるそうです。怖い。。。
銀太郎と銀次郎だったかな?ちょっと名前を忘れてしまいましたが、とにかく2頭ずっといるそうです。熊は人間の出した残飯も狙うようなので、使った後は小屋をきれいにし、ゴミは必ず持ち帰りましょう。
この日は私達3人と、地元のソロの方の4人だけで広々と使えました。地元の方は本当に何度も登っているようで、いつも仕事が終わってから午後登り始めるのだとか。この日も夕方近くに小屋に到着し、「山頂はいいかな~」と。どっしり構えていてさすがです。
鍋と〆にラーメン、ビールにワインに日本酒の宴会となりました。
初めての避難小屋がここで良かったです。建物自体もキレイだし水場は近いし、トイレもキレイだし。
また来たいなあ。
翌朝朝ごはんを食べ、往路を戻り、無事下山しました。
4、避難小屋利用登山の持ち物、装備
・マット(テントの時使ってるもの)
・シュラフ(開いて掛け布団状態にして使用。7月中旬だともう暖かく旦那さんはシュラフなしで寝てました)
・食料(避難小屋には小屋番さんもいなければ売店もないので)
・ライト(ヘッドライトだけでなく、周りを照らすライト・ランプがないと夜は暗い)
・コップやシェラカップなどの食器
・トイレットペーパー
・ごみ持ち帰り用袋
・熊すず(小屋というか山行用に)
つまり、テント泊のテント・ペグ・グランドシートがない状態でした。
テント泊同様、山小屋にはあるテレビや雑誌がないので、夕食をカップラーメンで済まさずにちゃんと作ったり、お酒を持っていかないと暇になります。だから宴会が楽しいです。
5、焼石岳下山後「ひめかゆ温泉」とわんこそば
つぶ沼または中沼登山口から一番近い温泉は、「ひめかゆ温泉」です。車で約10分、入浴料600円と安いとても広々した温泉でした。とろっとしていて美肌の湯だそうです。
温泉の後は世界遺産の平泉が近いため、平泉に移動し、わんこそばを食べました。このように沢山のお椀にわんこそばが盛られてでてくるのを「盛り出し式」というそうです。
おなか一杯食べた後は中尊寺金色堂を観光しました。近かったので折角なら、ということで。
私は結構仏像好きなのですが、同行の男性陣は全く興味なさそうにベンチで座って山のギアをネットショッピングしてました。ここまで来ておいて・・・
6、焼石岳登山の感想
焼石岳が最も花で華やぐのはまだ雪が残る6月~7月上旬ですが、終わりかけの花畑も見ごたえがありました。
何より全然人に会わない静かな山を、避難小屋に泊まってゆっくり堪能でき大満足。東北の山のイメージ通り荒々しくなくたおやかな山でした。
今度は燃えるような紅葉のシーズンに金名水避難小屋に泊まって夏油温泉まで縦走してみたいです。
公共交通機関でのアクセスができないので、タクシーを使うか、拠点駅から車での移動になるのがバス派には難点ですね。花と紅葉の時期だけでもバスや乗合タクシーが出てくれればいいんですけどね。
危険個所はないのでみんなにおすすめできる山でした。
またね、焼石岳。
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