今日もポレポレ 女山旅日記

ポレポレとはスワヒリ語で「ゆっくりゆっくり」。山が好きな女子が登山、旅行、美味しい食べものを綴る旅日記ブログ

【北アルプス】夏の槍ヶ岳登山②日目 山頂アタックと上高地への下山

山は好きだけど高所は苦手。そんな私がやっと行く決意が固まり、ベストシーズンの槍ヶ岳へ行ってきました!土日で行った短い山行ですが、私にとっては今年の大一番。

槍ヶ岳登山、2日目の記録です。

 

▼一日目の記事はこちら▼

aotora2019.hatenablog.com

 

※改めて、今回のルートと2日目のコースタイム

【1日目】上高地より槍沢ルートで槍ヶ岳山荘へ 

【2日目】槍ヶ岳山頂〜槍ヶ岳山荘より東鎌尾根〜水俣乗越〜大曲〜上高地下山(←今回記事)

 

完全なピストンではなく、槍ヶ岳山荘から大曲までは昨日と違う東鎌尾根経由のルートで降ります。

メンバーは槍ヶ岳5回目の〈コーチ〉、体力があるので山が趣味じゃないけど来てくれた〈Y〉、山は好きだけど高いところが苦手なの3人です。

 

▼今回の私のコースタイム(2日目)

(5:50)槍ヶ岳山荘発~(6:13~6:25)槍ヶ岳山頂~(6:45~7:10)槍ヶ岳山荘~(7:55)ヒュッテ大槍~(9:25)水俣乗越~(10:27)槍沢大曲~(11:05~11:35)ランチ@槍沢ロッヂ~(12:38)横尾~(13:35)徳沢~(14:55‐15:15)小梨の湯~(15:53‐16:25)五千尺ホテル休憩~(16:30)上高地BTゴール

 

4、槍ヶ岳の山レポ(2日目)

■早朝、槍ヶ岳山頂アタック

槍ヶ岳山荘の朝は早く、4時代から周りの人が起き始めているのを感じます。

眠すぎるし食欲はないけど、なんとかラーメンを作って食べる。咀嚼してるうちに体が目覚めてきます。

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私達は夜ご飯はつけてもらい、朝食なしで宿泊しました。結果的には朝食行列に巻き込まれなくて済んだので、トップシーズンの槍ヶ岳早朝アタックをするなら朝食は持参が良さそうです。

 

ヘルメットをつけ、まだ朝もやの槍ヶ岳に向かいます。

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朝の柔らかな光の中に咲くミヤマオダマキがとってもキレイ。

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5︰50 クライムオン!

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ザックは山荘に置いたまま、ヘルメット、カメラ、防寒着を着て、ポケットに軽く水だけ持って身軽にしています。周りの人もこんな感じで、リュック背負ってる人もアタックザックでした。

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岩にペイントされてる矢印に従って、よじ登っていきます。朝は寒いし岩を掴むしグローブが活躍。

 

この↓写真の中央やや右側の岩が小槍だそうです。

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断崖絶壁でルートなさそうだし見るのみ。…と思ったら、後で小槍に登ってる人がいました。勿論ハーネスなどつけての本格的クライミングで、スパイダーマンみたいでした。

 

ところで、槍ヶ岳では山頂直下に二本の長いハシゴがあるので、どうしても渋滞が発生します。登り続けるわけでなく、結構このような岩場で待つ時間が長いので、やはり防寒着は必要でした。

私はレインウェアだけだ良いだろうと思って防寒着持ってこなかったので、コーチに薄手のフリースを借りました。反省。

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槍ヶ岳はしっかりとルートが作られていますが、脆い岩の上を歩くので落石が起きる可能性も。

その為ヘルメット着用が推奨されています。持ってない人は槍ヶ岳山荘で500円でレンタルもあるので、前日にお借りすると良いでしょう。登ってる人の8割はヘルメット、2割はノーヘルでした。

 

途中から槍ヶ岳山荘が見えました。高い所まで登ってきてる!

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双六岳方面の山々も稜線から徐々に明るくなってきました。静かな朝です。

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すこーしずつ進んでいき、上の方にハシゴが見えました!

槍ヶ岳はこの待ち時間のために全然疲れたり息が上がったりはしないのですが、代わりに高所が苦手だと怖くなってくる。待ち時間で勢いが消えるのでビビリ心が忍び寄ってくる感じです。

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ハシゴは頑丈そうですが一人ずつ。登ったら下の人に合図します。怖いので下は見ない。

でも登りきったらちょっと振り向いてしまいました。

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長いハシゴが二本連続になってますが、登る人用と降りる人用と平行に掛けられているので、上の人とかち合うことはありません。前はこのハシゴが一本だけで今よりもすごい渋滞だったとか。

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弱高所恐怖症気味の私はこのハシゴ一本目登ってるとき、少し恐怖を感じました。でもアドレナリン出まくってるので、ハシゴをしっかり掴んで一歩一歩足を上げることだけを考えていたらクリアー!怖い気持ちにアドレナリンが勝ちました笑

 

2本目のハシゴを登ったら...

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山頂です!!

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ものすごい達成感!!

小学生でも登ってる山だとか、技術的に難しい山ではないとか頭ではわかっていても、それでも頑張った自分を褒めてあげたいです。

 

狭い山頂には10人もいれるかどうか、くらいのスペースのみ。

祠で記念撮影をして。

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眼科に広がる北アルプスの稜線をしっかり目に焼き付けます。

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さて、山頂は狭いので、上の人が降りないと下の人が登れません。写真を撮って仲間と感動を分かち合ったら、下山用のハシゴより降ります。

 

登ってる時は「登るより降りる方が怖そう。降りれなくなったらどうしよう」と思いましたが、降りるのは全然怖くありませんでした。Yも同意見。(コーチはもとより登りも怖くない)

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それでも下りこそ気を抜かないように、と戒めつつ岩をよじ降りて(?)いきます。

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上の写真のようなトラバースしてる所もありました。

こんな荒々しい岩峰でも、岩の合間にお花が咲いていて癒やされます。

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槍ヶ岳の穂先より下山完了し、槍の肩である槍ヶ岳山荘に着くと、もうすっかり朝は終わり、夏の日差しになっていました。

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6:45 槍ヶ岳の穂先より下山!

まだ北アルプスの山の上ですが、しっかり地に足を着いて歩ける場所に戻ってきてよかった〜!

 

上高地への下山

山荘にデポしておいたザックをピックアップし、一息ついたら。

7:10 槍ヶ岳山荘出発です。

折角なら少しでも違う道を歩きたいので、昨日来た道を戻らずに東鎌尾根をヒュッテ大槍方面へ歩くことに。

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東鎌尾根はゴツゴツとした稜線上の登山道で、とにかく見晴らしがいいです。危険や怖いと感じる所はないので、上高地までの降りる方はこっちを通ると面白いと思います。人も少なかったです。

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▲イワギキョウが咲いていました。

 

昨日にも増して今日の空は真っ青!

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振り返ると昨日とは違う角度の槍が見えます。カッコイイ!

山荘からは尾根伝いに緩やかに降りていきます。道は明瞭。

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お花は昨日登った殺生ヒュッテ経由の道の方が多かったです。こちらは尾根道なのでゴツゴツしています。でもちらほらお花が。

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▲ウサギギク

 

徐々に遠ざかる槍ヶ岳。この稜線上を歩けるのは本当に気持ちいい!

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いくつか小さなピークを越えていきます。この小ピークにはハシゴが掛けられていました。

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木のハシゴですが特に怖くはなく。

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一気に標高を上げられるからハシゴは考えようによっては便利です。

折角登ったけど、またくだる。

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今までとは違う花も。

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ゴゼンタチバナ

いい~景色です!f:id:aotora2019:20190825162250j:plain

ニッコウキスゲにまた出会えました。

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東鎌尾根ルートは西岳に続いているということもあり、反対側から歩いてくる人たちは皆ヘルメットを被って歩いていました。西岳の方、どんな岩場なんだろう・・・

私達は西岳まではいかず、水俣乗越の分岐で槍沢方面へくだっていきます。

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水俣乗越~槍沢大曲までが激下りでした。ストックを使い、足を置いたら踏ん張ってブレーキを効かせながら。

結局1時間かかって大曲まで下りました。ここを登ってきている高校登山部の皆さんとすれ違ったけど、高校生元気だったな~。この急登は登りたくないです。

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大曲まで来たら、昨日歩いてきた道を槍沢ロッヂに向けて戻ります。

行きと同じなので端折りまして。

 

11:05 槍沢ロッヂに到着!朝ごはんを5時に食べてから随分時間が経っていたのでお腹が減って減って・・・小屋に着く前から仲間を置いて走って向かいました🍚

行きに見て気になっていた冷やしうどんをいただきました。1,000円也。

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おそらくうどんを冷やしただけと思われますが、とんでもなく美味しい!夏はやっぱり冷やし麺ですね。

 

さて、この時点で11:35、コースタイム通りだとここから上高地まで約4時間半。このままのペースで行くとお風呂の時間がない!多分メンズは間に合うだろうけど、髪を乾かしたりしたい私のお風呂の時間はやばいかも・・・

ということで、先に行ってお風呂入っていることにしました。お風呂あがったら合流だね、と話して先に行かせてもらいます。

 

 でも一目散に下山は勿体ないから、一人になった登山道でも楽しみます。

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▲ヤマホタルブクロ

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梓川に流れ込む川が本当にきれい。足をバシャバシャしたい!

一人で山を歩くと、より周りの景色が目に入ってくるようになります。

 

あっという間に横尾を過ぎて、平地歩きに疲れながら徳沢に着きました。夏にここに来たら、食べるでしょう!

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名物の徳沢のソフトクリームです。私は普通のソフトクリームにしましたが、ソフトクリームにコーヒーがかけられたものも美味しそうでした!

 

すっかり満足して、明神を通過して、合流の約束をした小梨キャンプ場のお風呂へ向かいました。

 

■お風呂(小梨の湯)と五千尺ホテルのケーキ

2日間汗だくになってあるいたのだから、是非お風呂でさっぱりしてから帰りたいですよね。

下山後は「森のリゾート小梨/小梨の湯」を利用させてもらいました。

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こちらは小梨キャンプ場併設の入浴施設で、温泉ではありません。温泉ではありませんが、なんといっても営業時間が長いのがありがたい。上高地下山後だと、温泉旅館の日帰り入浴は受付終了していることも多いですが、こちらは19時まで入浴可能です。

小梨の湯 | 森のリゾート小梨

 

明神から河童橋への下山路沿いにあります。河童橋を渡って梓川の反対側に渡らなくていいのも、時間がない私達には嬉しい。

 

さて、お風呂も入ってさっぱりしてコーチとも合流したので、バスの時間まで五千尺ホテルのケーキセットを食べて待つことにしました。 

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河童橋の袂にある老舗ホテルのラウンジでのんびり過ごす時間が堪らなく優雅です。案内してくださるスタッフにリュックサックを置けるか聞き、リュックはホテルの入口に置かせてもらいました。

落ち着いた雰囲気の店内には、普通のテーブル席とこのように窓に向かって置かれた座るテーブルがあります。

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メニューに載ったお好きなケーキとドリンクのセットで1,500円。一番人気はレア・チーズケーキのようです。

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私はフルールケーキとアイスコーヒーにしました。登山中って水かスポーツドリンク、ビールの選択肢なのでキリっと冷えたアイスコーヒーがいつも以上に美味しく感じます。

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こちらのラウンジカフェは16時までの営業です。街でもカフェのケーキセット食べることなんてほとんどないですが、上高地という避暑地のホテルで食べると特別感があります。

 

美味しくいただいたら、バスターミナルに向かいました。

上高地からの帰り方 〜バスとあずさ

上高地から新宿への直通バスには間に合わないので、上高地からバスと電車を乗り継いで松本駅まで向かいました。

16:40 上高地BT発のバスで新島々へ。

上高地新島々駅へのバス、新島々駅松本駅までの電車がセットになったバスチケットを上高地BTで購入します。(ケーキセット食べる前に買いに行きました) 

上高地からバスは新島々駅からの電車の時刻に合わせて運行しているようです。

 

どうでもいいですが松本までの電車、車内が謎に造花で飾られてた・・・

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松本駅からは長野経由で新幹線で帰京か、そのまま中央線特急のあずさで帰京か、です。あずさにしましたが全然座れず。。素晴らしい登山でしたが最後に負けました。

 

5、槍ヶ岳登山の服装、持ち物

 【服装】

普通に夏山登るときの服、早朝槍ヶ岳登頂時はフリースや中綿アウターとウインドブレーカーやレインウェアを重ね着。帽子、グローブも。

テントではなく小屋泊なのでダウンパンツやダウンジャケットはなくてOKでした。

 

【持ち物】

ヘルメット。山荘でレンタルもできました。

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また、真夏で大量に汗をかき水を飲みますが、水場で汲んだ水をそのまま飲むよりも、ポカリの粉末などを使った方が体に水分が染み込みやすいそうです。スポーツドリンクの粉末は1つあると熱中症予防に良いと思います。

 

あとはサングラスやお酒のつまみ、お風呂セットなど。

 

6、槍ヶ岳登山の感想

長いハシゴや高度感のある場所が苦手ですが、でも山は好き!なんとなく避けてきた槍ヶ岳に、やっと登れました。

雪山やバリエーションルートではないので、普通に体力をつけて登れば問題ないとわかってはいても、自分にとってはチャレンジでした。一人だと弱気になってしまうので、一緒に登ってくれた二人に感謝です。

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 登ってみたら圧倒的な達成感で、たった一泊二日の山でしたが夏山の魅力全てをぎゅぎゅぎゅっと凝縮したよう山旅でした。そして日本5番目の高峰からの景色は最高の一言でした。

 

こんな風に快晴の日に登らせてくれた山の神に感謝しつつ、これからも安全登山をしようと思います。

長くなりましたがお読みいただきありがとうございました!

 

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