【北アルプス】4日振りの下山へ(④⑤高天原~三俣蓮華~双六岳~双六小屋~新穂高)テント泊縦走4泊5日
2019年の夏、北アルプス4泊5日の縦走登山に行ってきました。
その4日目は、高天原山荘~黒部源流を通って三俣山荘でカフェタイム。そこから双六小屋まで歩きました。
5日目は双六小屋から新穂高温泉まで下山。最終日まで素晴らしい景色を楽しめました。
写真も多くて書くのも遅くてもう一か月以上経ってしまいましたが・・・秋もまだまだ歩けるエリアなので、この界隈を歩く方の参考になればと思います。
- 日程・今回の縦走ルート
- 高天原より花咲く谷筋を通り岩苔乗越へ
- 黒部の源流と三俣山荘でのカフェタイム
- 三俣蓮華岳〜双六岳〜双六小屋へ
- 双六小屋でテント泊&ご飯
- 最終日:双六小屋~鏡平・わさび平経由~下山
- 北アルプス テント縦走服装
- 北アルプス縦走の感想
日程・今回の縦走ルート
■全日程&ルート概要
縦走ルート:折立in~新穂高out
【8/9】折立登山口〜薬師平テント泊
【8/10】薬師平〜黒部五郎岳〜三俣山荘テント泊
【8/11】三俣〜鷲羽岳〜ワリモ岳~祖父岳〜雲ノ平〜高天原山荘泊
【8/12】高天原〜岩苔乗越〜三俣蓮華岳〜双六岳〜双六小屋テント泊
【8/13】双六小屋〜新穂高温泉下山
その4日目&5日目の記録です。いよいよ下山です!
■4日目:高天原〜三俣〜双六小屋 コースタイム
▼私のコースタイム
(5:45)高天原山荘発~(7:55)岩苔乗越~(8:50)黒部川水源碑~(9:25ー10:45)ランチ&カフェタイム@三俣山荘~(11:32ー11:45)三俣蓮華岳~(13:11ー13:30)双六岳~(14:15)双六小屋テント場 ゴール
4日目は昨日とは違う道で三俣山荘へ戻り、デポしておいたザックをピックアップ。その後双六小屋まで歩く行程です。
■5日目:双六小屋~新穂高温泉 コースタイム
▼私のコースタイム
(6:15)双六小屋発~(6:50)花見平~(7:05)弓折乗越~(7:35ー7:50)鏡平山荘~(9:52ー10:20)わさび平小屋~(11:15)新穂高RW ゴール
最終日は新穂高ロープウェイまで下山します。最後まで景色は抜群。
高天原より花咲く谷筋を通り岩苔乗越へ
朝はあまり食欲がないので、朝食はつけずに持参したパンを食べました。
小屋の階段に寄せ書きコーナーがあったので足跡残してきました。
避難小屋とかにある山ノート、あるとつい書いちゃう方です。
まだ完全に日が昇りきる前の、朝のシンとした空気に背筋がシャンとします。
5:45 高天原山荘に別れを告げ、歩き出します!
昨日通った森の中ですぐに分岐に行きあたりました。昨日と同じ道を通って三俣山荘に戻ることもできますが、少しでも違うルートを通った方が楽しいので違う道で。
雲ノ平方面(高天原峠)ではなく岩苔乗越方面へ曲がります。
前日に続き八ヶ岳のような苔むした森を歩いていきます。
序盤は気温も低く、急でもないのでリズムよく歩けました。
森の中より稜線歩きが好きだけど、森の中でしか出会えない植物も多く楽しいです。
▼キイチゴ、美味しそう。
ブルーベリーかな?
▼キヌガサソウ。この日はたくさん見れました。
やがて森を抜け、谷筋の道にでました。沢沿いにはお花畑が!お花畑全盛期というと七月ですが、北アルプスでは8月でもたくさんの花々が見られます。
▼鮮やかなトリカブト。秋を感じる花。
▼クルマユリもいっぱい咲いてて可愛い。
沢沿いなので羽虫が飛んでたのが少し気になりますが、嫌になるほどではない。
段々と朝だった世界が明るくなってきます。
景色はいいけど岩苔乗越までひたすら登りなので頑張りどころ!やっぱりアタックザックできて良かった〜。荷物が軽いと本当に楽ですね。
「休憩しよ」と言うと旦那さんに却下されますが、「お花キレイだよ〜」と言って写真を撮っても文句を言われない。立ち止まる為に写真を撮ります。
いよいよ稜線が見えてきました。まだ残雪があります。8月で残ってるってことは、一年中消えない万年雪なんでしょうか。
残雪を踏みしめて、やっと一日ぶりに岩苔乗越に戻って来ました。
黒部の源流と三俣山荘でのカフェタイム
7:50~55 岩苔乗越につきました!
2,128mの高天原山荘から、2,730mの岩苔乗越まで600mを2時間かけて登ってきました。ほぼ登りだったので疲れました。
昨日をそのまま戻るとワリモ岳~鷲羽岳を経て三俣山荘に行くことになりますが、今日は鷲羽岳を巻き、黒部源流を通って三俣山荘に戻ることにしました。
ということで、岩苔乗越からは(折角登ったけど)下っていきます。
また沢沿いを下るので気持ちがいい道です。
この沢を見ていたら、ライチョウの親子に出会いました!驚かさないように声を出さず見ていただけなので写真はないのですが、数羽の子ライチョウと、お母さん?ライチョウが一緒に水辺を歩いていて、朝からほっこり癒されました。
水が豊かなのでお花も引き続き多いです。
▼カイタカラコウ?小さいひまわりが沢山ついてるみたい。
羽虫を手で追い払いつつ、ころころする岩で足を滑らさないように足元を見ながら歩きます。小川を反対側に渡るところも。
水が綺麗!
そうこうして1時間弱ほどくだったところに、黒部川の源流碑がありました。
北アルプスの豊かな自然を支える黒部川の”最初の一滴”がこの辺にある・・・ということですが、正直どこから最初の一滴が流れているかわからず・・
すぐ近くにも豊富に川が流れてたしなあ。ともあれ、記念の場所です。
朝、高天原山荘をでてからほぼずっと谷筋沿いを歩いてきました。そして、黒部源流からはまたゆるゆると沢沿いを登っていきます。
疲れたらまた後ろを振り返る。谷の一番下にいたのに、随分と登ってきました。
9:25 三俣山荘に1日振りに戻ってきました~!
昨日預けておいた大きなザックをピックアップして(ありがとうございます!)早いですがお昼ごはんとしました。玄関のすぐ横に水場があり、テーブルもあるので調理に便利です。
らーめんだけですが。でも汗をかいて疲れたので塩っけのある味が美味しいです。ご飯を食べてすぐ出発することもできましたが、折角なので三俣山荘のお洒落カフェで一服したいねってことになり。
「三俣展望食堂」でカフェタイムにしました。小屋の横の建物の2階にあります。
▼こちらがカフェのメニュー。朝8:30から営業してますが、はやくも軽食食べてる人も多かったです。
中はとってもオシャレなカフェ。ここに辿り着くまでに普通なら丸2日かかる北アルプスの山奥ですが、普通に吉祥寺とかにありそうなオシャレさです。
雲ノ平山荘と三俣山荘と水晶小屋は同じ三俣山荘事務所が管理されており、居心地の良さは共通ですね。
お昼ごはんは持参したラーメンで節約したので、代わりにケーキセットをいただきました。あと乾いた体にカルピスウォーター!うまい!
フルールタルトと黒部の水で淹れたのか、美味しいコーヒーでのんびり。
こちらには三俣山荘をはじめた先代山小屋店主・伊藤正一さん著『黒部の山賊』が置いてあり、しばし読みふけります。
山賊とか熊狩りとか・・・わくわくワードが満載。昔のアルプスの様子を垣間見れたような気分になります。
なんてことをやっていたら1時間以上三俣山荘で休憩してました;そろそろ行かなくては。
▼三俣山荘公式ホームページも情報量多く、且つ読みやすいです。
三俣蓮華岳〜双六岳〜双六小屋へ
10:45 三俣山荘を出発し、三俣蓮華岳へ向かいます。
名前でわかる通り三俣山荘と三俣蓮華岳はとっても近いのですが、一気に登っていく必要があります。1日振りに背負う大きなザックの重みを感じます。
三俣蓮華岳への分岐からは真っ直ぐひたすら直登!横に目をやると、コバイケイソウの群落が。清涼な雰囲気に元気をもらいます。
足元はややガレ・ザレ気味で、足がズルっとなることもありますが、頂上が見えているのと、振り替えると槍が見えるといういい道なので辛くはありません。
11:35 三俣蓮華岳(みつまたれんげだけ)山頂に到着!
三俣蓮華岳は標高2,841m、日本三百名山にも選定されています。
三俣=長野、富山、岐阜の3県を分ける場所です。
山頂からのパノラマは雄大。ひときわ大きな鷲羽岳と、鞍部には小さくなった三俣山荘が見えます。
そして、次に目指すは岐阜県側の双六岳。双六へ歩いていく稜線がまた綺麗!
稜線の後ろには槍ヶ岳も。この界隈、ずっと槍ヶ岳が見えるのがいいですね。山で槍ヶ岳が見えるのって、旅行に行って「富士山が見えた!」というのと同じ嬉しさ、喜びがあると思います。シンボルに出会えた、というか。
走り出したくなる稜線です。まだ残雪もあるので緑と白、青空のコントラストが美しい。振り返るとこの景色。本当稜線天国です。
北アルプスのこの三俣界隈は、高所が苦手な私が怖くなるような切り立った断崖がなく、危険箇所もなく、ただハイキングを(長時間ではあるけれど)していれば山頂に立て、山頂に立たずとも素敵な山小屋と稜線を楽しめる大好きなエリア。
勿論、事故も起きているので天気に助けられてはいますが、度々訪れる人が多いのは皆山に囲まれている幸福感を感じるからなんだろうなあ。
斜面のお花を見たり写真を撮っていたらあっと言う間に双六岳に着きました。
双六岳(すごろくだけ) 標高2,860m 到着!
双六山頂はあいにくガスが来てしまいましたが、岩に座ってしばし天気待ち休憩をしていると・・・
晴れた!ガスで縁取られた山も幻想的で綺麗です。
双六岳の山頂は広く、腰掛けられる岩がたくさんあるので、皆思い思いに天気待ち(?)休憩していました。どうでもいいけど旦那さんが双六を「そうろく」と読み間違えるのが何度「すごろくだよ」って言っても直らない・・・。
だだっ広い山頂エリアを歩き、双六小屋へ向かいます。
双六岳から双六小屋までの最後の下りが結構急で、重い荷物を背負う膝にキます。
ここで、さっきまでのんびり歩いていた旦那さんですが、急に双六小屋テント場が混雑していることに気づき、突然ペースアップ。私はペースアップ出来ないので、後からゆっくり歩くことにして、先に行っててもらいました。
この狭い急坂をなぜかペースアップする旦那さん。
でも小屋が見えてくると、確かにテント場混雑してました。今日は到着遅くなかったけど、張るところあるかなあ・・
14:15 双六小屋到着!
双六小屋でテント泊&ご飯
双六小屋は予想通りかなり混雑しており、小屋の前ではたくさんの人が寛いでいました。大型の小屋で収容人数も多いですが、それ以上に多くの人が訪れているようです。
小屋の中の売店ではグッズや生ビール、豊富なランチメニューが食べられます。正直、ここだとテントで無理やり食事を作らなくても、1,000円の軽食メニューを夜まで食べられるので夜ご飯には困りません。
▼小屋内には私の楽しみのスタンプも沢山ありました!
▼4年前小屋泊した時のお夕食。今も天ぷらでるのでしょうか?
【双六小屋 テント場情報】
⭕幕営料 一人1,000円(中学生以下は1名500円)
⭕スペース 約60張(でも今日は100張はあったなあ)
⭕トイレ テント用外トイレ。水洗が奥の個室に1~2つありました。他の個室は水洗ではいですが汚くはない。ただし朝はすごい並ぶ。
⭕水場 トイレの横。無料(幕営料に水代が含まれている)
⭕双六池に面した平なテントサイト。岩のごつごつもなく張りやすい。
この日の双六テント場の様子です。何とか張れる場所あってよかった~。でもこんな混雑したテン場だと邪魔になるタープは張れないです。前室が羨ましい。
まだ日が高いのでテントの中は蒸し風呂状態。外でウイスキーコークを飲んでのんびり。ほぼコーラ味なのでどんどんウイスキーがなくなる魔法の飲み物。
だんだんとガスが出て来てしまったので、暗くならないうちにご飯にします。
今日はテント泊の最後ということで、残りの干し野菜全部と余っていたちくわで、麻婆茄子風&わかめご飯。
相変わらずちくわそのままということと茶色いということで、画的にどうかって感じですが・・・
夜はガスで真っ白になってしまったので、歯磨きしたら早々と就寝しました。
最終日:双六小屋~鏡平・わさび平経由~下山
双六小屋は新穂高温泉側から登って来た人の最初の1泊になることが多い場所。4時代から周りの起きる気配で目を覚まします。これから三俣の方に分け入っていく人も多いんですよね。
テントを撤収したら、朝ごはん。レーズンパンを焼いて、トマトスープと食べました。
5時にはご飯を食べていたのでこの日は私たちにしては早い準備だったのですが、テント用のお手洗いが長蛇の列であまり早い出発にはならず。皆行動しようとする時間は一緒ですね。
6:15 さあ、ラスト!新穂高温泉へ向けて出発します!
新穂高ロープーウェーへの下山路は双六小屋テン場の奥へ歩いていく方にあります。
昨日登った双六岳に日の光が当たっています。まだ夜が明け切っていないので日光の当たっていない場所は影の中。
新穂高への登山道も槍ヶ岳や笠ヶ岳が見え隠れしながら歩ける稜線登山道。
途中、花見平という開けた場所にきました。槍様のシルエットがかっこいいです。
双六からいくと、当たり前ですがほぼ平坦~下りなのですこぶる歩きやすいです。逆に、以前新穂高から登ったときはすごく疲れた記憶があります。
7:35 鏡平山荘に着きました。ここは鏡池という池に逆さ槍ヶ岳が映ることで有名ですが、もう一つ有名なのはかき氷。
かき氷500円也。”宇治抹茶あずきのせ”はもう少し高級なお値段でした。
冷静に考えると朝っぱらですが(8時前)来る人来る人皆かき氷食べてました。私はかき氷苦手ですが旦那さんがもりもり食べてました。
ここからは更に下りが急になります。大きな石があるので雨天だったら滑りそうで怖そう。私はほぼ無心で下を見て歩き続けました。
石が真っ白なので段々目がちかちかしてくる。。。水場もありますが、登ってきている人たちはかなり暑そうでした。
見上げると北アルプスの稜線があんなに高いところに。すごい降りてきました。
かなり平地に近くなったところで、蝶々がアザミのお花と戯れてました。蝶を横から横から撮れたので嬉しい。
10時前にわさび平小屋に到着!「そうめん」の暖簾発見!
蕎麦などと比べて栄養がないそうめんですが、私の大好物です。夏の間に買っておき、冬でもそうめん食べます。夏の食べ物といえば冷やし中華とそうめんが二大巨頭ででもNO,1はそうめんです。
しかもサッポロの瓶ビールと~!そうめん800円也。缶詰のミカンもいい感じでした。思えば水が豊富なところでないとこのメニューは出せず、ある程度登山口に近くないと無理なんだと思います。堪能しました。
そして、11:15、双六小屋を出発してから5時間、新穂高ロープウェイに着きました。
長かったようであっと言う間の山旅の終わりです。
帰りは新穂高から松本駅までバスで移動し、松本からあずさで帰京しました。
▼新穂高~松本までのバス時刻表
高山・新穂高・平湯温泉~松本線|高速バス | 濃飛バス公式サイト
蛇足ですが、最後は松本駅の「榑木野(くれきの)」の蕎麦で〆!松本経由で帰るときは大体ここへ寄ります。結構混んでますが蕎麦屋だから回転も早いので並びます。
季節限定の夏野菜天ぷら蕎麦、野菜豊富で山帰りには嬉しい!
北アルプス テント縦走服装
一年に1回くらいしか山籠もりはできないので、いつもどの位服を持っていくか迷います。自分への備忘録も込めて。
Tシャツ×2/長袖Tシャツ×1/アームカバー/半ズボンになる長ズボン(チャックついてるやつ)/サポートタイツ×1/レインウェア上下/中綿あったかJK/下着上×2/靴下厚手×2/下山後着替え用ロングワンピ(高天原温泉後も着用)
※ダウンパンツ不要
速乾防臭の高機能ウェアが多いのでかなり服は減らせました。テクノロジーに感謝。
北アルプス縦走の感想
今まで長くても3泊4日が最高だったので、4泊5日は私にとって一番長い山旅でした。それが終わりになり、少しく寂しくもありつつ、感じるのは達成感と満足感。あと生もの食べたい。
5日間も山にいるのだから雨も降るだろうと思っていましたが、結果的には毎日快晴の素晴らしい天気に恵まれました。綺麗な景色に囲まれ、大袈裟でなく1年分のエネルギーを充電出来ました。夏休み最高!
まだまだ歩いていない場所もあるし、また来ます、北アルプス!
長くなりましたがお読みいただきありがとうございました。
▽▼よろしければ応援お願いします▼▽
▽▼北アルプス縦走、1~3日目の記録▼▽