【岩手】「本州最速の紅葉」裏岩手縦走(八幡平〜三ツ石山~岩手山/避難小屋泊/公共交通機関)2泊3日
昨年の9月のシルバーウイーク、気になっていた裏岩手縦走路(うらいわてじゅうそうろ)に行ってきました。岩手県の八幡平から岩手山まで、避難小屋に泊まって歩く、歩きごたえのある3日間。
期待していなかった紅葉も、なだらかな稜線が続く景色も本当に美しい、楽しい山旅でした。
1、裏岩手縦走路とは
裏岩手縦走路とは・・・
八幡平から南へ伸びる稜線には、畚岳、諸桧岳、嶮岨森などの山々が連なっているが、これらの山を結ぶコースを裏岩手縦走路と呼んでいる。
〈八幡平観光協会ホームページより引用〉
裏岩手縦走路は、大雑把に言うと八幡平〜岩手山をつなぐ縦走路です。
▼ここにあります。右下の+マークで拡大。
八幡平も岩手山も、遠いですね!
2、日程、ルート・コースタイム
日程︰2018年9月22日〜24日
シルバーウイークを使って東北遠征です。
ルート︰八幡平in〜岩手山〜御神坂コースout
私のコースタイム
【1日目】自宅~新幹線盛岡~八幡平(11:30)〜大深山荘(15:15)泊
歩行:3時間45分
【2日目】大深山荘(6:25)〜三ツ石山〜犬倉山(12:00~12:30)~岩手山8合目避難小屋(16:48)泊
歩行:10時間20分(休憩含む)
【3日目】8合目避難小屋(5:15)~岩手山登頂〜御神坂コース下山(9:05)~新幹線帰宅
歩行:3時間50分(休憩含む)
3、裏岩手縦走路山レポ
■八幡平へのアクセス(盛岡〜八幡平)
マイカーはありませんので電車とバスでアクセスします。
裏岩手縦走路は大雑把に言うと八幡平〜岩手山をつなぐ縦走路ですが、なだらかな八幡平から歩き出すことにしました。逆コースだと、岩手山への登りが大変だと思って。
新幹線の盛岡駅からいいバスが出ています。
八幡平自然散策バス
八幡平自然散策バスで行く!可憐な高山植物めぐりと秘湯癒し旅おすすめプランのご紹介(夏) | 岩手県北バス(公式サイト)路線バス・高速バス・貸切バスの情報
9:10盛岡駅発のバスに乗り、10:55八幡平頂上バス停到着。
我が家からは朝の新幹線で間に合いますが、夜行バスで盛岡に行くって手もありです。
八幡平のバス停に着くとトイレやレストハウスがあるので、足りないお菓子はここで買うこともできました。
■1日目:八幡平〜大深山荘避難小屋
八幡平頂上バス停で降車すると雨が降っていました。。カッパを着込み、ダラダラと準備します。
八幡平頂上バス停から八幡平の山頂までは、徒歩で約30分弱。最初の計画では、まず八幡平の山頂までピストンし、その後裏岩手縦走路に入っていくつもりでした。
ただ、雨は降っているしガスで景色も真っ白。景色が見れないので八幡平はパスし、そのまま裏岩手縦走路へ歩きはじめます。八幡平はまた来ればいいかな。
11:30 裏岩手縦走路へスタート!
山としては遅いですが、公共交通機関で来ると、どうしてもスタートはこの時間です。今日は大深山荘まで4時間ほど歩くのみ。
八幡平近くの藤七温泉などに前泊すれば、朝からスタートできます。
裏岩手縦走路ってひたすら山深い稜線を歩くイメージでしたが、序盤は散策路という感じ。特に大きな登りもなく、最初のピーク畚岳(もっこだけ)に到着。
1,578mの畚岳は八幡平の展望が良い山とされる「八幡平三大展望地」の一つだそうです。今日はそんなことは微塵も感じさせませんが。
この後、諸桧岳〜前諸桧〜嶮岨森〜、、と進んでいきます。晴れてたら展望が広がっている筈ですが、この日はガスガス。それでも紅葉が始まっていて嬉しくなります。
15:15 この日のお宿、大深山荘に到着しました。長くは歩いてないけど、荷物も重かったので山荘に着いた時はホッとしました。
こちらは管理人さんのいない避難小屋ですが、とってもキレイ!布団などはないのでマットやシュラフ持参で寝ます。勿論売店などもないため、食料は持参する必要があります。お酒を担いでくるのか重いんですよね。。お手洗いはキレイです。
荷物を置いたら、近くの水場へ水くみに行きました。
歩いて3分の場所に水場があるのは本当にありがたいです。水場の周りは草紅葉になってました。
この日の夕飯はKARDIで買った鍋の素を使ってベトナム風鍋だったのですが、写真がこれしか残ってなくて何がなんだかわからない。。
お酒を飲みつつ避難小屋の夜は更けていきました。
こちらの大深山荘、一階と二階がありますが、多分20人で満員位の小屋です。この日は17人位宿泊してました。譲り合って、ですがやはり狭かったです。連休なのでしょうがない!
渋いルートなのか山のプロみたいな諸先輩方が多かったです。手ぬぐいなどを乾かす洗濯ばさみと洗濯紐を持ってきてるのをみて「おお〜山の知恵」と感心。
寝袋で寝ましたが、人の多くなった避難小屋内は暖かく、夜中に暑くて寝袋からでちゃいました。
■2日目:大深山荘〜三ツ石山〜三ツ石山荘~岩手山避難小屋
翌朝、周りのガサガサ準備する音で目覚めます。避難小屋には電気はないので、それぞれがランプを持ってきていますが、朝は皆ヘッドライトで支度をします。
私達はだいぶ明るくなってから。
6:25 出発!
今日がこのルートのハイライトであり、長丁場の岩手山まで頑張る日です。
まずはなだらかな道を行き、大深岳(おおふかだけ)を通過。
山という感じはしません。
今日もガスが出てますが、ガスの切れまに時折美しい紅葉がみえます。この辺はまだ歩きやすかった時。
おっ、紅葉してる!
期待していなかったのに紅葉が見れてココロ踊ります。本州最速の紅葉とは伊達じゃないですね。
小畚岳への稜線はややアップダウンあり。キツイ坂はなく、道が長く続いている感じです。
一瞬青空が見えました!
小畚山(こもっこやま)山頂に到着!紅葉はこの小畚山と三ツ石山の斜面が特に美しかったです。
それにしても本当に綺麗な紅葉です。森の中に山があるような、木々が深い場所だから、色んな色が混じっています。
段々蒼い空が見えるようになってきました。
真っ赤に燃える紅葉も素晴らしいですが、私は緑が入ったパッチワークのような紅葉も好きです。ハイマツの緑が日光に反射して輝いています。
北アルプスあたりだと2,400m位の森林限界から見られるハイマツですが、森林限界の低い東北では1,400m位でもハイマツが生えています。あんまり登らずに森林限界の稜線へ出るのも東北の山の好きなところです。
三ツ沼にでました。深いブルーの水が綺麗です。
そしていよいよ紅葉の名所、三ツ石山(みついしさん)が見えてきました。
すごい!!!!
山の斜面が絨毯みたいなことになっています!ふかふかしてそうな、気持ちの良い斜面です。赤と、オレンジと。一面山の色が違っていて感動。いつもはあまり歓声をあげない旦那さんと先輩も「おぉ〜、すげーな」と。人を感動させる山です。
三ツ石山は標高1,466m。この山頂から景色を眺めると、これから向かう岩手山がデンと構えていました。まだ遠いなあ。
紅葉のシルバーウイークということで、多くの人が訪れていました。私達は八幡平からの二泊三日ですが、紅葉名所の三ツ石山だけを目指すなら松川温泉や網張温泉などから日帰りでも登山できます。
デカめのカメラを持った人が多いです。登山というよりカメラが趣味っぽい人もチラホラいました。皆晴れた週末に紅葉を狙いに来ているようです。
三ツ石山の山頂で今までも高かったテンションが更に上がります。
東北最高!
山頂を降りて少し行くと三ツ石山荘がありました。こちらも避難小屋で、本当は昨日ここまで歩けると2日目である今日が楽なのですが。
こちらでお手洗いをお借りしました。大深山荘と三ツ石山荘、綺麗さも広さも一緒位です。昨日は同じように混んでたんだろうなあ。
ここから、大松倉山へ向けて気持ちのいい尾根道を歩いていきます。すれ違う登山者の方から「どこから来たの?」と聞かれ関東からとわかると、地元の方は「楽しんでいってね」と言ってくれました。
「楽しんでいってね」って、いい言葉ですね。地元から愛されている山なんだなあと嬉しくなります。
歩きやすい縦走路。荷物が重いので疲れますが、天気が良くなって笑いが止まらない!
紅葉エリアを抜け大松倉山、犬倉山方面へ歩きますが、ここの道ではぐっと人は少なくなりました。
緑の稜線がどこまで続き、背後にはデーンと岩手県民の心のふるさと(と岩手出身の友人が言ってた)岩手山が聳える。
3,000mの高峰ばかりでなく、1,500m程度の山にもいい場所は沢山あるなあと改めて思い知らせてくれる景色です。
犬倉山でらーめんランチを食べたら一旦くだりました。この時点で12:30。歩き始めてから(休憩含めてですが)6時間経過。
午後の日差しが暑いです。この辺を過ぎたころから私の体力がヒーヒー言い始めました。
まだ歩けるけど、ゆっくりしか歩けない。しかも目的地である岩手山はまだ先、同行メンズはすごく元気そう、ということで、お二人には先に行って黒倉山へ登ってもらい、私は黒倉山は巻いて、切通で合流しました。
▼こちらが切通の手前の分岐。誰も通らない。。。立ち枯れの木が絵画のようです。
黒倉山に登った二人に聞いたところ、展望のいい山だったそうです。
黒倉山を越えた切通から、岩手山へは「鬼ヶ城コース」と「お花畑コース」があります。上の地図でいうと、切通から不動平までの平行に走る登山道で下が鬼ヶ城、上がお花畑コースです。
ヤマレコを見ると、鬼ヶ城は歩きづらいちょっと危険があるコースのようだったので、迷わずお花畑コースを行きました。
ここからは徐々に登りになります。今いる切通付近が1,480m前後。岩手山不動平避難小屋が1,828m。約350m登りです。
途中、ごつごつとした男性的な岩峰と紅葉のパッチワークのコントラストが綺麗な場所がありました。人がいなくて、色づいた木々に囲まれてすごく素敵な場所!
お花畑コースというくらいだから、紅葉が綺麗なこの場所が夏には高山植物で埋め尽くされるのでしょうか。
ここから岩手山までが本当にきつかったです。荷物が、とか足が、というより精神的に。
同行者2人が涼しい顔で歩いてるのが「迷惑かけられない!」と変なプレッシャーを感じてしまって、ゆっくり歩くのが申し訳ない気持ちに。旦那さんにも先輩にも何も言われてないし、そんなことを言う二人ではないのはわかってるのですが。
体の疲れからくる精神的な疲れなんだと思います。自分のペースでゆっくり歩こうと決め、二人には先に行ってもらいました。小屋で寝る場所確保しておいて!とお願いして。
一人で歩き始めると辛さは和らぎました。わがまま言わせてもらいました。
いよいよおっきな岩手山が間近に!
絶好の登山日和な青空ですが、もう疲れ切っているのでこの日は山頂にはいかずに避難小屋に行きます。
16:48 8合目避難小屋にやっと到着です!この日の朝に大深山荘を出たのが6:25だったので、休憩含めて10時間強歩いたことになります。
岩手山の山頂近くにある小屋というと、不動平避難小屋と8合目避難小屋がありますが、より大規模なこちらの小屋に泊まりました。常駐するスタッフの方も多く、避難小屋というより山小屋のようです。
この日は60人位宿泊していました。水場もあり、快適です。避難小屋ですが、料金は1,700円でした。
布団もありましたのでこの日はマットもシュラフも使いませんでした。
夜ご飯はパエリア。
避難小屋の中は混んでいましたが、山小屋よりも緩い雰囲気なので通路まで人がでて、そこここで宴会が。この日もワインを飲んで遅くまで楽しみました。それにしても疲れた~!
■3日目:岩手山〜御神坂コース下山
翌朝はまた曇天に逆戻り。最終日は岩手山に登ってから下山し、新幹線で家まで帰らなくては行けません。
5:15 ヘッドライトをつけてアタック開始です。
岩手山は火山らしくザラザラした砂が歩きにくい山でした。富士山と登山道の感じは似てるでしょうか。山頂は物凄い強風で、前へ進むのがやっと。
なんとか標高2,038m、山頂碑のある場所まで行ってから降りてきました。下りもザレた砂が歩きにくかったです。
昨日はあんなに青空無風だったのに、山は一日で天気が変わってしまいますね。
岩手山から雨に濡れつつ降りてきたら、不動平避難小屋で身支度を整え、御神坂コースを下山しました。
雨はやみましたが引き続き厚い雲に覆われてます。それでも、岩手山の紅葉も見事でした!
個人的にはあまり岩手山に紅葉名所のイメージはなかったのですが、私が不勉強でございました。ここも紅葉名所!
岩手山の紅葉はあと一週間後くらいが見頃のようです。
ちなみに、岩手山は盛岡市内からも見える立派な百名山ですが、容赦ない急坂でした。登りは大変だなぁと、振り返る度に思います。
おばけみたいなアザミのお花がありました。
急坂をどんどん下っていきます。黄葉がきれい。
9:05 御神坂登山口まで下山完了!
御神坂登山口から盛岡までのバス(990円)に乗り、盛岡まで戻り、つなぎ温泉まで車で移動して温泉に入って、新幹線で帰りました。充実の3日間でした!
※おまけ※
盛岡冷麺「ぴょんぴょん舎」のオープンを待ち冷麺も堪能しました。
遠征登山はその土地の名物を食べるのも楽しみの一つです。
- ジャンル:冷麺
- 住所: 盛岡市盛岡駅前通9-3 ジャーランビル 1F・2F・3F
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- (写真提供:yamadayamaou)
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4、裏岩手縦走路、三ツ石山登山の感想
9月の連休で裏岩手縦走路へ行く!というのが目的だったので、紅葉はあまり気にしてなかったのですが、思いがけず素晴らしい紅葉名所を訪れることができました。
岩手山や八幡平、三ツ石山はどれも単体で訪れても素晴らしい山だと思いますが、縦走することで山の大きさを感じられますし、何より美しい稜線を歩けるとってもいいコースです。
避難小屋泊はテントを張ったり撤収したりする手間が省けるのが楽です。特に今回のように雨がちらつく日にはありがたい限り。大深山荘も三ツ石山荘も、8合目避難小屋も綺麗なので避難小屋初心者の私でも問題なく宿泊できました。
お休みが取れたら、是非裏岩手縦走路を歩いてみてください!
おわり。
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