今日もポレポレ 女山旅日記

ポレポレとはスワヒリ語で「ゆっくりゆっくり」。山が好きな女子が登山、旅行、美味しい食べものを綴る旅日記ブログ

紅葉の雨飾山へ【雨飾山荘・前泊編】山の温泉でのんびり/公共交通機関利用

今年は変な天候で災害も多い夏・秋でした。
長い雨で「今年は冷夏」と言われていたのに9月になってから急に暑くなり、それによって2019年の紅葉は随分遅くなったようです。


10月の最終週、遅れた紅葉を求めて雨飾山(あまかざりやま)へ行ってきました。
新潟側の雨飾山荘で温泉前泊して、長野側へ下りる公共交通機関ならではの縦走ルートです。
平日休みを利用して久しぶりにひとり登山を楽しんできました。今回はその1日目、【前泊編】です。

 

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百名山雨飾山とは

長野県の安曇郡小谷村と新潟県糸魚川市の県境にある山で、標高1,963m日本百名山の一座です。

深田久弥の著作にあるように、荒々しい岩場や爽やかな稜線が広がる笹原、可憐な高山植物など、山のいくつもの魅力を見せてくれます。

妙高戸隠連山国立公園の一端にあり、山の稜線は新潟の火打山妙高山にもつながっています。

 

登る人目線で言うと、新潟側にも長野側にも温泉があるため、温泉から温泉への縦走ができるのも魅力。新潟の糸魚川を起点にすれば、日本海の海の幸も一緒に楽しむことができます。

 

「雨飾の乙女」「女神の横顔」とも呼ばれる女性の顔に見える登山道があります。その女神の存在と、“あまかざり”という神話的な響きの山名とで、何となく惹かれていた山でした。

 

日程・雨飾山の登山ルート

■日程

2019年10月27日(日)前泊~10月28日(月)日帰り登山

 

■登山ルート

雨飾山には大きく分けて4つの登山ルートがあります。

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  1. 長野県・小谷村の雨飾高原キャンプ場から登る雨飾高原ルート
  2. 新潟県糸魚川市雨飾山荘から登る梶山ルート
  3. 長野県・大網登山口からのルート
  4. 火打山から金山を通って雨飾山に至る長い破線・縦走ルート

 

このうち、①②がメジャールート、③④はマイナールートという感じ。

雨飾山は電車、バスの便があまり良くないので、①の長野県側の雨飾高原キャンプ場に車で行き、ピストンで登る人がほとんどです。

 

私は折角電車とバスで行くので、新潟県から長野への縦走コースで歩くことにしました。

②の新潟県糸魚川からアクセスして、登山口の雨飾山荘に前泊してから登山。山頂から①の長野県小谷側へ下山して帰るルートです。

 

www.mountaintrad.co.jp

逆ルートの長野側から登る場合、雨飾高原キャンプ場か近くの温泉宿に泊まることになります。

雨飾高原キャンプ場だとテント道具を担いで登らないと縦走できないし、温泉に泊まると荷物はないけどちょっとお高いのと、朝出発する時に登山口まで1時間歩かなくてはいけません。ということで、新潟側の雨飾山荘に前泊しました。

 

雨飾山荘へのアクセス(電車・バス)

雨飾山荘の最寄り駅は?

雨飾山荘の最寄り駅は根知駅(ねちえき)です。ただ、根知駅の周りには見事に何もありません。タクシーもいなけれればコンビニもない、駅員さんもいないように見えました。

よって、ここからタクシーで雨飾山荘へ向かうのは難しいです。グーグルマップによると、根知駅から山荘まで徒歩3時間半ほどで着くようなので、最初私は歩いていこうと思っていました。結局やめましたが、やめて良かったです。山道でもない、田舎道をとぼとぼ歩くのは単調な割に疲れるし・・・。

 

というわけで、最寄ではないけど便利なのは北陸新幹線の停車駅・糸魚川(いといがわ)です。

駅前にコンビニはないですが駅の中にコンビニがあるのでお水などはそこで買うことができます。

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■新幹線とバスで山口バス停へ

 糸魚川駅日本海口を降りるとバスターミナルがあるのでここからバスに乗ります。バスターミナルの横には「ヒスイ王国館」という建物があり、飲食店が入っていたり、糸魚川の名産品やお酒が売っています。ここで地ビールをゲット。

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 ヒスイ王国館目の前のバス停から11:30のバスに乗りました。バスの本数も少ないので、これを逃すと13:30。山口というバス停で降りますが、そこから2時間歩かないと雨飾山荘にはつかない為、一本後だとかなり遅くなってしまうんです。

 

糸魚川バス 根知の時刻表は下記サイトからPDFで確認▼

バス路線図

 

因みに、このバスは雨飾山荘の最寄駅である根知駅も通ります。ただ、根知駅はバスの自由乗降区間のため、土地に慣れていない人がバス停に停まらないバスを停めるのは至難の技だと思います。ということで、素直にバスは糸魚川から乗ります。バスでは交通系ICカードは使えず現金のみでした。

 

■山口バス停から徒歩2時間で山荘へ

12:18、山口というバス停に着きました。この山口バス停が雨飾山荘の最寄バス停です。「雨飾山荘あっち」的な看板があるのでその方向へ歩きます。トイレや売店などはありません。

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雨飾山荘まで歩くにあたり心配だったのが、グーグルマップは起動するか?ネットはつながるか?という点。

最初はつながるのでスマホで方向も確認できますし、看板が結構あるので迷わず行けました。

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途中から携帯の電波はなくなります。

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雨飾山荘まではこのような道を歩いて行きますが、山の方に来ると熊が出ないか心配になりました。2時間しっかり歩きましたし、暗くなってからは歩きたくないです。

 

混浴温泉のある雨飾山荘宿泊記

山口バス停からトボトボと約2時間歩き、やっと雨飾山荘に到着しました!

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山荘の周りの木々が紅葉してます。

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この敷地内、建物の入口の向かい側に混浴の露天風呂「都忘れの湯」があり、近くを通ると人の話し声が聞こえました。今は女性が入ってるみたい。(覗くようにジロジロ見てないですが)外からは露天風呂の内部見えませんでした。

 

雨飾山荘の館内設備

雨飾山荘のドアを開けると、すぐにフロントと日本秘湯を守る会の提灯が出迎えてくれました。雰囲気ありますね〜

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受付でチェックインを済ませ、お部屋は2階へ、と言われ上がってきました。障子のドアがあって、山小屋というより旅館ぽいです。

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今回泊まったお部屋。6畳でした。一人だと広々〜。お布団は自分で敷く式です。

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部屋の中から廊下の方を見た写真がこちら↓ ですが、ドアの上部が空いているので周りの部屋の話し声も普通に聞こえます。この辺は山小屋の大部屋みたいな感覚。

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荷物を置いたらお腹空いちゃったので軽食を食べることにしました。一階に「ザ・おばあちゃんち」という趣きの談話室がありここでいただきます。

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雨飾ラーメン800円。とんこつラーメンで体が暖まり美味しかったです。

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さて、お腹も満たされたので温泉へ入ります!

 

雨飾山荘で温泉に入る

雨飾山荘には男女別の内湯と混浴の露天風呂があります。内湯と露天は全く別のところにあるので露天に出るには服を着て外に出ます。

 

この露天、男女で時間制にはなっていません。タオルを巻いての入浴も不可なので今回は露天風呂は入れないと思っていたのですが、ラーメンを食べていた部屋が玄関のすぐ横で、露天風呂から他の人があがって山荘に入ってきたのが見え「あ、今なら誰もいない」と。チャンス到来と思って露天にまず向かいました。

この木の扉が露天風呂「都忘れの湯」です。

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扉を開けるとこんな風に見えます。この緑のカゴが置いてあるところが脱衣スペース。仕切りはないので知らない人との混浴は無理ですね。

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脱衣スペースの目の前に露天風呂が!木に囲まれていて素敵な雰囲気。

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5〜6人用くらいのスペースなので広くはありません。家族風呂的な感じでご夫婦で入ってる方がこの日は多かったです。

温泉は無色透明、熱すぎずぬるくもない適温ですが、加温していないので冬は外気によりぬるめになるみたいです。今日は温かくて極楽でした。

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幸せ〜

露天風呂の周りに木々があるため、いい目隠しになって外からは見えません。覗こうとすれば見えますが、ジロジロ見なければ内部は見えないので恥ずかしさはありませんでした。

ただ、駐車場に車を停めて山荘に立ち寄り入浴に来る人も少なからずいるので、「私が占領してたら悪いなあ」という気になり10分程であがりました。

短時間でもやっぱりオープンエアーの温泉は気持ちがいい!満足したので服を着て今度は内湯へ・・・

 

一旦山荘に入り、そのまま男女別の内湯へ。こんな説明書きが飾られていました。

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日本の秘湯 雨飾温泉

文政1年11月今から約910年前に開発を藩役所へ願い出た~(中略)~泉質はナトリウム炭酸水素塩塩化物泉~(中略)~年3回入ると冬に風邪を引かない~

と、書いてありました。

こちらが浴槽、驚いたのがシャンプーや石鹸があること。山にとても近いですが石鹸okなんですね。こちらの方が露天よりも湯温が高かったです。

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温まりましたのでお部屋で買ってきた地ビールを飲んでごろごろ。至福です。

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畳最高。

 

雨飾山荘のおいしい夕食・朝食

何度かお風呂に入ってごろごろしてるうちに夕食の時間になりました。一階の食堂へ。

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この日は日曜日ということもあってお客さんの少なかったです。土曜日は混むんでしょう。

私は同じく女性一人で来てる方×3人で一緒のテーブルでした。

 

こちらが楽しみにしていたお夕食です!

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雑誌で見た通り豪華〜!焼き魚にお刺身(!)に唐揚げや肉じゃが・・・。さすが日本海に面した糸魚川市。山荘でもお刺身が出るのが嬉しいです。

 

折角新潟に来たし日本酒飲みたい気持ちはありましたが、明日も早いしビールだけにしておきました。こういう時二人だとお酒分けられていいんですが、やむなし。

満腹もう入らない状態になったので、また温泉に入り、21時の消灯とともに寝ました。

 

翌日5時から朝食です。好きな時間にしていいですよ、とのことで、一番早い5時にお願いしました。

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朝食、白いご飯もサラダも納豆も美味しかったのですが、いかんせん朝は食欲がない…昨夜食べすぎたのもあり全くお腹が減ってませんでした。私は山でも朝はごく軽めなので、朝食はつけなくてもよかったなと思いました。

 

ということで、日曜日に朝から新幹線で糸魚川へ行き、雨飾山荘の温泉でのんびりできました。ご飯は美味しいし、温泉もあったまるしいい所です。車がない私的には電車・バスでアクセスしずらいのが難点ですが、車移動の人はぜひ行ってみてほしいです。

 

山小屋寄りですがちゃんとした旅館なので、完全予約制で個室のため人気のシーズンは埋まってしまうよう。また、雪のため、11月ごろ~5月ごろ?まで閉めてしまうそうです。

 

長くなったので「前泊編」とし、「登山編」は次に書きます。お読みいただきありがとうございました。

 

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