【八ヶ岳】年末年始/本沢温泉~東天狗~白駒荘(稲子湯より入山)/雪山忘年登山3泊4日・前編
今更感がすごいですが、2019年の年末は八ヶ岳で過ごしました。
年末年始の八ヶ岳は何度目かですが、何度来てもいい所です。今回は本沢温泉と白駒荘と、なんと2日連続でお風呂に入れるという素晴らしい年末でした!
ルートは、小海駅からタクシーでみどり池駐車場へ。
そこから入山して本沢温泉【1泊目】~東天狗~白駒荘【2泊目】~茶臼山~縞枯山~北横岳~北横岳ヒュッテ【3泊目】~三ツ岳~北八ヶ岳ロープウェイで下山、です。
その山旅日記、前編です。
年末年始・八ヶ岳山行の日程・ルート
日程:2019年12月30日~1月2日
年末年始を使っての山行!
私のレベルでは行ける雪山は限られているので、年末年始に営業している山小屋が沢山あり、絶対に面白く、そして危険度がなるべく少ない所、ということで年末年始は八ヶ岳以外の山へ行ったことがありません。
他の山域も行ってみたいとは思うものの、年末のアルプスとか超危険なイメージがあって近寄れません・・
関東の人間は行きやすいので大好き八ヶ岳です。
ルート:稲子湯から入山~北八ヶ岳ロープウェイより下山
実は12月30~31日が余り良い天気予報ではなく・・・
天気が悪い時でも山で楽しむには?→→温泉!
ということで、本沢温泉を目的地とするため、最寄の登山口である稲子湯(正確にはその少し先のみどり池駐車場)から歩くことにしました。
▼こう見ると長く歩いたなあ。
【1日目】小海駅~みどり池駐車場~本沢温泉
【2日目】本沢温泉~夏沢峠~根石岳~東天狗岳~黒百合ヒュッテ~白駒荘
【3日目】白駒荘~麦草峠~茶臼山~縞枯山~北横岳~北横岳ヒュッテ
【4日目】北横岳ヒュッテ~三ツ岳~坪庭~北八ヶ岳ロープウェイにて下山
【1日目】電車で行く八ヶ岳。本沢温泉までの山レポ
小海駅より本沢温泉へ
年の瀬12月30日、7:00発の特急あずさ号に乗るべく新宿駅ホームに集合しました。私達夫婦と先輩の3人です。
本当は「今年の年末は赤岳に行こう」と計画を立てたのですが、前日から心配していたのが天気。1,2日目の天気が悪く、冬の赤岳未体験の私は心配しきりでした。
結局、既に発車している電車の中で話し合った結果、行き先変更。
天気が悪くても楽しい山の温泉を目指し、本沢温泉に行くことにしました。冬の悪天候赤岳は危険だし、なにも見えなかったら楽しめないよねということで。
茅野まで乗るつもりだったあずさを小淵沢で降り、小海線に乗り換えて小海駅に着きました。
この時点で11:18。
小海駅に駅舎横にスーパーもあったので買い物もできそうでした。
ここで、予約していたタクシーに乗車。あずさ号の中からタクシー予約しておいてよかったです。
駅からタクシーでスキー場に行こうとしていた方たちはタクシーが出払ってしまっててくるのは1時間後と言われてました。
冬でなければ、小海駅または松原湖駅から小海町営バスが稲子湯まで運行しているので便利です。(ざっくり11月~4月の冬季は運休)
▼冬季以外はこちらのバス時刻表参照(松原湖線)
タクシーは大体所要20~25分、5、000円弱くらいでした(うろ覚え)
稲子湯より少し先にみどり池駐車場があるので、そこまで行き、降ります。
ここから歩きだしましたが、なんと、雨が降っています。
冬の、八ヶ岳で、雪にならず、雨。暖冬・・・!
タクシーの運転手さんも、すごく珍しいと言っていました。
ということで写真割愛でひたすら歩き、歩きだして1時間30分ほどでしらびそ小屋到着。(途中からちゃんと雪に変わってくれました)
13:35 しらびそ小屋
りすのマークと可愛い外観の小屋です。正月飾りも可愛い。
温度計みたら0度でした。正月の八ヶ岳にしては暖かい。
旦那さんはチーズケーキセット800円をオーダー。
私はベーグルセット・今だけ800円(←今だけに弱い)をオーダー。
自家製のベーグルだそうです。美味しかった~!
ふと窓の外を見ると、小鳥が来ていました。こんな冬でも来るんですね。かわいい。
しらびそ小屋は休憩では何度かお世話になっているけど、泊まったことがない小屋で、是非宿泊で訪れたいです。厚切りトースト食べたいなあ~。
30分休憩したら、また歩き出します。
しらびそ小屋から本沢温泉までは1時間20分かかりました。
「本沢♨へ10分」の看板が!こういうのあると頑張れます。
登ってきているので短いながらそれなりに疲れます。
山の中の秘湯・本沢温泉に宿泊
15:25 本沢温泉到着!
日本最高所野天風呂の文字が。今の時期もあるだろうけど入る気にはなれません。
山小屋というより旅館ぽい外観の本沢温泉。
それにしても、当日なのに空いていて良かった~!山小屋ではないので要予約です。(あずさの中から予約しました)
▼本沢温泉ホームページ
誰かが作った雪だるまが迎えてくれました。
こちらの売店は種類豊富で物欲そそられます。
お部屋に荷物を置いたら早速温泉です!
以前10月に来たときは内湯「こけももの湯」でしたが、今は外の別の建物内の「石楠花(しゃくなげ)の湯」でした。
▼石楠花の湯 の時間割(2019年時点)
男女 朝~14:30、17:30~18:00
女性 14:30~15:30、16:30~17:30、19:00~20:00
男性 15:30~16:30、18:00~19:00
男女混浴の時間といっても仕切りなしで実質男性専用みたいなものなので、女性の時間に入ります。
こちらが石楠花の湯。
たまたま女性誰もいませんでした。結構熱めで(外気が寒いから余計そう感じるのかも)冷えた体が芯から温まりました。温泉はいい!!
2つの浴槽が並んでいる感じですが、それぞれ6~8人くらい入れそうな湯船。シャンプー、リンス、洗顔フォームなどの使用はNGです。
温泉からあがったら楽しみにしていたご飯です。おでんでした!嬉しい!
本沢名物にごり酒というものを注文しました。このカラフェで1,200円はコスパが良い。甘くて飲みやすい。マッコリっぽいような?どぶろくというもの??美味しかったです。
お酒の品揃えが豊富でお好きな方は嬉しいでしょうね。
夕食会場には私達の他2組くらいしかいませんでした。悪天候の天気予報だったので予約がキャンセルになったとか。
天気悪くても温泉はいいのに勿体ない。(何度も言う)
食後男性陣がまた温泉に行っている間は談話室で休憩。
自炊室でもあるこちらにはストーブもついていて雑誌もあり寛げました。
この日は行動時間としては3時間半程度ですが、久しぶりの雪山に、温まる温泉、美味しい食事と山の時間をゆっくり楽しめました。
【2日目】荒天の東天狗岳から北八ヶ岳の白駒荘へ
本沢温泉~根石岳~厳冬期の東天狗岳~白駒荘まで
翌朝。12月31日のこの日が一番天気悪い予報だったので、険しい南八ヶ岳へは行かず、比較的なだらかな北八ヶ岳へ向かいます。
朝の石楠花の湯は男女混浴の時間ですが、たまたま誰もいなかったのでさっと朝風呂にも入れました!
7:40 出発!朝風呂してからの遅い出発。。。
本沢温泉の玄関前から硫黄岳が見えています。(正面の山)
行けたら硫黄岳にもピストンで行きたいな~なんて思ってましたが、よく考えたらそれなら6時前には本沢を出ないと間に合わない。
そして山の上の天気がそれどころではなかったことを後に知ります。
まずは本沢温泉から、野天風呂方向に進み、分岐を夏沢峠方向へ進みます。念のため野天風呂も見に行きましたが、温泉の蓋は閉まっていました。
まずは天狗岳方面を目指すのですが、本沢温泉から天狗岳への最短は「白砂新道」という道になります。
ただ、冬の時期は雪崩の危険から白砂新道は通行できなくなっているので、夏沢峠を経由してから向かうことになります。
ずっと登り基調です。山に来ているのだから当たり前といえば当たり前ですが、先は長い。
9:10 夏沢峠までやってきました。
朝より天気は下り坂です。写真に写せませんが風が強かったです。
本沢温泉から夏沢峠までは樹林帯の中を登りますが、夏沢峠では一気に稜線に近いところになるので風が抜けていきます。
ここで「硫黄岳に寄れたら・・」なんて気持ちはスッとなくなり、早く進まねば、という気持ちになります。
逆方向から歩いてきた一人登山の女性とすれ違いましたが、その方は硫黄岳に行かれるそうです。
こんな天気なので「お気をつけて!」とお互い心から声を掛け合いました。それにしても一人で強風の中(マジで風強い)稜線へ行くなんて肝座ってるなあ。
ここから先、根石岳山荘、根石岳を通って東天狗岳に辿り着きましたが、立っているのがやっとの強風で、写真はありません。
特に、根石岳山荘~根石岳の辺りが一番ひどく、風が強すぎて体温は奪われる上、根石岳への急登なので一歩一歩が重く、酸素が薄く、「もう歩きたくない」と「止まったら死ぬ」の二つの考えがぐるぐると頭に浮かびました。
▼数年前の年末撮影した根石岳山荘。大好きな小屋です。
なんかこう書くと大袈裟な感じがしますが、風速1mで1度気温が下がるので、風速10m位あったとするとすんごい寒かったです。やっぱり悪天候の八ヶ岳は大袈裟に考えるくらいで丁度いいですね。根石岳山荘で短い時間でも休憩がとれたのは本当にありがたかったです。
▼これも数年前年末撮影。晴れてたらこの景色なのに・・・
幸いなのは、ここのルートを冬歩くのが数度目だったので距離感覚などがある程度わかっていたこと、ルート上滑落の危険性があるところは(なくはないけど)多くはないので、とにかく止まらずに進んでさえいればいつかは辿り着くということです。
11:05 東天狗岳山頂に来ました!
2019年12月31日は悪天候でしたがこんな時もあります。
ウェアが凍ってきている?吹雪いているのがついている・・・?
景色真っ白でも、極寒だからこそ達成感を感じられました。生きてる!
そしてそそくさを降ります。
黒百合ヒュッテに逃げ込みたい!西天狗岳は行きませんでした。
途中、チラッと青空が見えてどれだけ嬉しかったことか。
一瞬ガスが晴れると、樹氷に覆われた周りの景色が美しくて言葉を失って見惚れてしまいました。
標高を下げて樹林帯の中へ来ると黒百合ヒュッテが近いと感じられます。それにしても林の中というだけで風が全くなく暖かくすら感じるなんて、木は偉大です。
東天狗岳から約1時間10分程で、黒百合ヒュッテに着きました。多分ここでー5℃くらい。そう聞くと普通な感じがするのにさっきの寒さは一体・・・
アイゼンを脱いで、ここでお昼ご飯にしました。
黒百合ヒュッテは美味しい食事が人気の山小屋ですが、靴を脱がなくても食事スペースに座れるのが何気にポイント高いと思います。靴脱いだり履いたり面倒なんですよね。。
「命からがら頑張ってここに来たんだから贅沢してもいい!」という気持ちが働き、1,700円のチキンカレーというプチ豪華メニューをオーダー。
見えにくいですが骨付きの鶏肉で、お肉がほろほろでとっても美味しかったです。
一息つき、それぞれに感想を言い合って温まったら、出発。
黒百合ヒュッテから白駒荘までは、高見石小屋周りと、にゅう周りの行き方があります。私達は樹林帯の中を行く高見石小屋周りを選択。
樹林帯の中には風が来ないためスノーハイキングの気分です。
やがて「ランプの小屋」として有名な高見石小屋へ着きました。
特に疲れる距離ではないのですが、「高見石小屋名物の揚げパンが食べたい」と女子みたいなことを言い出す旦那さん。
私も揚げパンは大好きですが、さっきカレーを食べたばかりなのでまた今度に。
その代わり、小屋の裏手の高見石に登ってみることに。
私は下で待ってましたが、景色良かったそうです。
高見石小屋から白駒荘までは1時間ほど!ラストスパートです。
■火事の後建て直された白駒荘に宿泊
15:25 白駒荘に着きました〜!
白駒池の湖畔に建つとっても綺麗な山小屋です。
それもそのはず、こちらの白駒荘新館は、2017年の大晦日に火事で焼失してしまった建物を新たに建て直した小屋。
2017年の大晦日、私達夫婦は八ヶ岳の別の山小屋に泊まっていましたが、お正月の朝に「白駒荘で火事があったらしい」というのを聞きました。建物は無人だったため人的な被害はなかったそうですが、焼失した小屋を再建するのは大変なことなんだろうと思います。
今日はそんな白駒荘に初めてお邪魔します!
旅館の受付のようなチェックイン。お支払いも後払い。
そして急遽八ヶ岳内で行き先を変えたためノーチェックでしたが、こちらの山小屋にはお風呂がありました!!
▼受付横の看板に「お風呂15:00~20:00まで」の文字が!
温泉ではないそうですがこの真冬に山の中で、しかも大晦日にお風呂に入れるとはとても嬉しいです。
館内は新築そのもの。洗面スペース、オシャレです。
上の写真に「ゆ」という暖簾が写っていますが、手前の「ゆ」が男湯、奥に女湯がありました。
お風呂は綺麗な大きめのお風呂といった感じで、大人が3人入るといっぱい位。私が入った時は女性4人で縮こまりながら入りました笑
脱衣所も広くないので、譲り合って入る感じです。ただ、満員だろう大晦日でも並ばずには入れたので良かったです。さっぱりした!
寝床は階段で二階へ。私達の寝る大部屋はこんな感じでした。
めっちゃ綺麗。一般的な山小屋の大部屋と違うのは、部屋の真ん中に仕切りがあって、(上の写真のザックが置いてある棚のようなもの)その右と左で男女別になっていること。
普通は男女混ぜこぜで何となくご夫婦の隣にはご夫婦が割り当てられることが多いかな~位ですが、男女別でした。女性のスペースで好きな場所を見つけて寝床を作ります。
(※これは私達が言われたお部屋なので、他の部屋がこの造りかどうかはわかりません)
そちてこちらが食堂。パノラマ窓!窓の外には白駒池が見えます。
旅館です。山小屋のレベルではない。
ワインの種類も色々ありました。
お待ちかねの夕食は豪華な牛肉!!!
こちらの白駒荘では自家栽培しているお野菜やお米を使っているそうで、小屋のご主人が食事前にそんなこともご紹介してくださりました。
山小屋が登山口に近いということは大きいとは思いますが、それでもこんなに素晴らしいサービスやお食事やらを提供していただき、これは再訪を決意。山小屋というより旅館では・・?
この後、大晦日ということでお酒のお振る舞いをいただいたり、年越しそばをいただいたりして、ビンゴゲーム大会では旦那さんが1等賞の日本酒一升瓶をいただく(!)なんてこともありました。
それを周りの方々とシェアしたり、別の方が当たったワインをいただいたり、それぞれ持ってきたお酒を酌み交わしたり、大変楽しい時間でした。
こうして大晦日の楽しい夜は更けていきました・・・
後編へつづく。
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