【南アルプス】テント泊で甲斐駒&仙丈(北沢峠ピストン、登山口までのアクセス~甲斐駒ヶ岳編)
2021年の7月の東京オリンピック4連休は前からずっと狙っていた南アルプスの百名山2座、甲斐駒ヶ岳と仙丈ケ岳に行ってきました。
なんとか天気も持ってくれて、あたため続けた山行を実行できて本当に嬉しい!と同時に、2日連続行程約7時間・標高差約1,000mの日帰り登山で大変疲れました。
甲斐駒ヶ岳とは【日本百名山、山梨百名山】
■甲斐駒ヶ岳 概要
長野県伊那市と山梨県北杜市にまたがる位置にあり、南アルプスの中ではアクセスもし易いことから登山初期に登る方も多い甲斐駒ヶ岳。とは言っても標高差は900mほどあるし、標高2,967mの大きな山です。
wikipediaによると「駒ヶ岳」の名を冠する独立した山は全国に18山あり、その中でこの甲斐駒ヶ岳が最高峰だそうです。
今回の私のように、すぐお隣にある仙丈ケ岳や、宇多田ヒカルさんが出演した南アルプスの天然水のCMロケ地として知られるアサヨ峰とセットで登られることが多い山。
仙丈ケ岳は優美で女性的、甲斐駒ヶ岳は岩がちで男性的などと表現されることが多いようです(ジェンダー的に古い表現ですね。)
■甲斐駒ヶ岳 コースタイム
▼今回の私のコースタイム
(8:20)北沢長衛小屋~(8:50)仙水小屋~(9:20)仙水峠~(10:30~10:45)駒津峰~(11:12)山頂への直登と巻き道分岐~(11:55~12:20)甲斐駒ヶ岳山頂~(巻き道利用下山)~(14:35)仙水小屋~(15:07)北沢長衛小屋・ゴール
日程・ルート【仙流荘・北沢峠よりピストン】
日程:2021年7月22日~24日
【1日目】自宅〜JR飯田線伊那北駅~(タクシー約8500円)~仙流荘・テント泊
【2日目】仙流荘~(バス)~北沢峠~甲斐駒ヶ岳~北沢長衛小屋・テント泊
【3日目】テント~仙丈ケ岳~北沢峠~仙流荘~(バス)~茅野駅
▼一日目は長衛小屋から右の甲斐駒ヶ岳へ。二日目は小屋から左の仙丈ケ岳へ。
仙流荘・北沢峠へのアクセス【電車とタクシー】
本当は北アルプスに行く予定だった4連休。天気予報が芳しくないため急遽南アルプスに行き先変更しました。
マイカーない勢の困ることは、こんな時の交通手段。急すぎて当日の仙流荘行きの夜行バスは取れず(本当はこれが一番いい)、レンタカーもコロナ対策で車人気が高まっているのか10店舗以上探しても全く空いていませんでした。
しょうがないのでJR飯山線の伊那北駅からタクシーで仙流荘まで行くことに。伊那北駅は無人駅でsuica使えないので切符を買って行く必要があります。駅前にはコンビニなし、居酒屋が見えました。
タクシーを予約しておいたので、途中のコンビニに立ち寄っていただいていざ仙流荘へ。複数人でタクシー代を割れば、夜行バスと比べてもそう高くなくこの行き方もアリだと思います。
仙流荘も満室のため、仙流荘にてテント泊。テント場あったっけ?という感じですが、宿隣の旧ゲートボール場(!)に1張1,000円でテントを張ることができます。開放感はないけど屋根ついているのがいい。
▼屋根に穴の開いた古い体育館という感じのテント場。電気つきません。
▼この日は私達の他にソロの方がお一人いました。荷物広げ放題。屋根ついているのでテントは張りませんでした。地面は土。
一日目はこのようにして移動日になりました。(お手洗いが外の建物にあって綺麗なので私はそこで着替えました)
マイカー規制が敷かれているので、マイカーの人も来れるのはこの仙流荘まで。仙流荘から北沢峠まではバスを必ず使うことになります。
2日目。
仙流荘からバスに乗って北沢峠へ行きます。
2019年の台風で林道が崩れていて、北沢峠までバスが辿り着かないので、一つ手前の「歌宿」から数キロの所で林道を降りて北沢峠まで歩きました。(※現在はバスは北沢峠まで通っているそうです)
▼仙流荘の隣にこのバス乗り場があるので、こちらでチケットを購入。クレジットカードOK
▼バス時刻表はこちら。朝5:30ごろから登山者がいるだけ随時バスを出してくれます。
5:30が最初のバスですが5時過ぎには既に長蛇の列になっていました。
2021年7月の段階では終点北沢峠まではバスが通れず、一つ手前の歌宿の2.2km先でバスを下車しそこから50分強歩いて北沢峠に向かいます。(8月から開通すると書いてありました。最近は大雨など災害も多いので随時確認を。)
やっと北沢峠~。ここまでひたすら林道歩きでした。
今日はテント泊装備なので北沢長衛小屋に荷物をおいてテントを張ってから甲斐駒ヶ岳へ出発します。
甲斐駒ヶ岳登山の山レポ
北沢長衛小屋より仙水峠経由、駒津峰へ
8:20 長衛小屋からやっと身軽になって甲斐駒ヶ岳山行へ出発です。
7:25に長衛小屋に着きましたがテント設置して荷物置いてぼんやりしていたらこんな時間に。1時間ぼんやりしてた。
最初は川沿いを歩きます。
やがて森の中へ。朝方で人も少なく歩きやすい。緑が綺麗です。
川沿いと森の中を行ったり来たり。ピンクテープがついているので迷うことはありません。
長衛小屋から30分ほどで仙水小屋に着きました。宿泊客以外は敷地内に入らないようになっていたので通り過ぎるのみ。水場がありました。
お水を飲んだだけですぐ出発。
この辺も気持ちのいい森ですが傾斜のある山道なので汗が噴き出ます。
苔が綺麗。
しばらくするとシャクナゲの花がちらほら見られ、土の道から段々岩がちに。
仙水峠の手前はこんな感じの岩歩き箇所になります。急に視界が晴れ、後ろを振り返ると結構登って来たことがわかるので気持ちがいい。
遮るものがないので暑いけど、岩の上を歩くのはリズミカルにいけるから割と好き。
9:20 仙水峠 にでました。
仙水小屋から30分です。ちょっと曇ってきてしまったのでここで展望はなし。
ここから次のチェックポイント、駒津峰まではひたすら登りです。最初は樹木の中を歩くので我慢。ここが頑張りどころです。
段々と標高が上がってくるとたまに景色がいいところに出て、行く手の甲斐駒ヶ岳がチラッと見えます。
この雲が取れてくれれば!!と願って。
空は青空なんですが、雲がもくもく上がっています。夏は早朝から行動しないとですね。ぼんやりしてる場合ではなかった。
この写真の赤とオレンジは前の人のリュックですが、こんな感じの傾斜を登っていきます。
ガレ場を歩いている感じ。でも樹林帯を抜けているから景色もいいし楽しい。
甲斐駒ヶ岳が見えました! ↓ まだちょっと雲がかかってますが、岩の白と、木々の緑のコントラストがあるあの山が甲斐駒ヶ岳。
最初に見えたときは「かっこいい~!」って思わず声に出してました。岩がちなのが離れていてもわかり、ゴツゴツしていてとてもかっこいい!早く登りたい!
駒津峰から甲斐駒ヶ岳山頂
10:30 六合目の駒津峰に着きました。
ここまでしつこい登りだった~。駒津峰の「峰」の字があるからもっとニセ山頂みたいなところかと思っていましたが、ただの通過広場、くらいな場所でした。でも景色はいい。
六合目だそうです。まだあと四合分(?)もあるのか。
旦那さんは腰が痛い痛いと休憩。
ここからは更に岩がちになります。辛くはない。見晴らしがいいから歓声を上げながら進めます。
駒津峰から先はざっくり言うと稜線上をなぞるように歩きます。自分の歩く先が見えていてやる気でます。
岩肌で白く見える山、甲斐駒ヶ岳。かっこいい。
山頂に近づくほど岩が大きくなる。
甲斐駒ヶ岳はそれなりに登るしコースタイムも(長すぎはしないけど)短くはないから、ストックがあると登りやすいと思いますが、この辺来たらリュックにしまった方がいいです。
駒津峰から30分弱歩くと、山頂への道の分岐に出ます。山頂直登ルートか、摩利支天経由のルート。
登ってくる途中ですれ違った下山の人が、「直登ルートは下山には危なくて使えない」と言っていたので、登りは直登ルートにして、下山で摩利支天ルートを歩くことにしました。
岩に「直」って書いてある。
この判断は正解で、直登ルートは下山では使えないです。危なくて怖くて私にはとても。登りでも結構急で、怖くはないですが、手を使ってよじ登るようなところもあるし、普通の百名山ならここ鎖あるんじゃない?ってところに鎖はなく、よじ登る。
こういう足場確保しながら登るところは背が高い(手足が長い)方が有利なので、背が低い女性の方が登りにくいと思います。
岩場にも可愛いお花が。二年前の北アルプスで沢山種類覚えたはずなのにもう名前がわからない・・・
結構な岩のじりじり登りが続きますが、段々と山頂が近くなってるのがわかる!
甲斐駒ヶ岳山頂から下山へ
11:55 標高2,967m、甲斐駒ヶ岳山頂に到着しました!
直登ルートとの分岐から40分強でした。
お隣のの仙丈ケ岳が3,000mを越えているのに対し、甲斐駒ヶ岳の方が岩がちで「高山登ってるな!」という感じがするけど3,000mないんですよね。
ガスってしまった。
山頂には祠があって、わらじが沢山括り付けてありました。何か信仰登山の証しとかなのか???
登ってる途中から猛烈にお腹が空いていたので、山頂では軽くおにぎりを食べてカロリー補給しました。あまり食べずにひたすら歩ける人もいるけど、私はエネルギーないとそっちが気になって集中できないし、シャリバテになると力も出ないので登山中はダイエット忘れてしっかり食べるタイプです。
山頂で休憩したら、下山へ。摩利支天方面の道で降ります。
下りの道はざれていて歩きにくい。。
白砂が多く、これが駒津峰の方から見た「白い山」の正体だったんですね。
テン場に荷物を置いてきてアタックザックで登っているので身軽です。
山頂直下の道はこんなザレザレが続く感じ。ストック持ってくれば良かったと思いました。最近、縦走と雪山以外(=日帰り)だとストックなしでいいや、となってしまうのですが、考えてみたら日帰りの方が行動時間長いんですよね。
ザレている下りは滑るのでストックがあると便利。本当に砂で滑るので気を付けながら歩きます。
結局上の写真のようなガスが続いてしまい、有名な摩利支天でも「摩利支天、どこ?」という感じで本当にわからなかったので、スルーして降りてきました。直登ルートと摩利支天ルートの分岐まで戻ったら、後は往路の来た道を戻るだけなので写真は割愛。
たまたまだと思いますが登っている人は男性が多く、女性あんまりいなかったです。小柄なご年配女性が岩をよいしょっと頑張って登ってる例もありましたが、なるべく若く関節が柔らかいうちに登った方が良さそう。私は余り関節柔らかくないので岩をよじ登るの60代後半になってからだと大変そうだと思ったので!
そんなこんなで
15:05 北沢長衛小屋に下山完了~!
実は下山の駒津峰~仙水峠が一番疲れたかもしれません。とにかくしつこい下りで。。(裏を返せば登りはしつこい登りだったわけですが、登りは山頂がチラチラ見えたりワクワクがあって大丈夫だった)同じ道戻るのでこの「まだ着かない・・・」という下りが地味にきつかったです。疲れた。
下山したらすぐ小屋でビールが飲めるからいいですね~
お酒を飲みながら夕飯の準備をしてのんびりテン泊を楽しみました。
ここはバスに乗ってきてからテン場までとても近いので、重い荷物を持ってきても大丈夫!ということで、100均で買ったミニフライパン(やや重い)を持ってきて、レトルトハンバーグ(やや重い)とサトウのごはん(重い)で夕飯にしました。工夫しないご飯って美味しいです。
甲斐駒ヶ岳の感想
カッコイイお山で景色も登りごたえも抜群でしたが、久々だったから非常に疲れました。険しい山に見えますが日帰りで登る山なので、是非身軽な恰好で行ってほしいです。そして日帰りだろうと舐めずに疲れるつもりでいく位が丁度良いと思います。
テン場でもマスク必須で気を付ける必要はありますが、7月なのに空いていてとても良かったです。いいお山をありがとうございました!
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