【八ヶ岳】蓼科山~北横岳プチ縦走 山小屋泊ひとり登山(茅野駅からバス利用)
アルプスなどの雪深いエリアでは、山小屋はゴールデンウィークに営業して、その後いったんお休みに入ります。その一方、八ヶ岳では通年営業している山小屋が多く、首都圏登山者の強い味方です。
昨年のGW明けの土日、八ヶ岳の蓼科山に行ってきました。日帰りで登る人が多い山ですが、山頂の山小屋に宿泊してのんびりと。連休後の静かな山を歩いてきました。
1、蓼科山とは
蓼科山(たてしなやま)は、長野県・八ヶ岳連峰の北端にある百名山です。八ヶ岳の中では他の山とやや離れているので独立峰のよう。標高は2,531mです。
端正な山容から「諏訪富士」とも呼ばれ、日帰り登山にちょうど良いコースタイムと山頂からの眺望が登山者を惹きつけています。
2、日程・蓼科山登山ルート
2018年5月12日(土)~13日(日)
GW前から数えると、去年は5週連続で登山してたなあ。
蓼科山登山は、「蓼科山登山口」からのピストンがメジャーですが、車じゃないのにピストンてなんか悔しい。公共交通機関利用者の意地で、なるべくなら縦走したい。
ということで、蓼科山登山口~蓼科山の山頂の小屋に1泊して北横岳へプチ縦走し、北八ヶ岳ロープーウェーで下山する行程としました。
3、蓼科山へのアクセス ~茅野駅からバス乗車
アクセスは電車とバスの公共交通機関です。JR中央線の「あずさ号」に乗って八ヶ岳の電車のアクセス基地・茅野駅へ。茅野からはバスです。
▲車内イメージ。これは時間帯違いの写真。実際は乗客ごく僅か。
蓼科山に公共交通機関で行く場合、夏山シーズンにならないとバスの本数が制限されるという問題があります。
茅野駅からのバスとしては、アルピコ交通の「蓼科高原ラウンドバス」路線で、「蓼科山登山口」下車がいいです。しかし、この「蓼科高原ラウンドバス」、運行日が限られており、GW明けは運行していません。
※2019年の運行日は4月27日~5月6日・7月13日~8月25日の毎日運行・8月31日~10月27日の土日祝日運行、となっていました。
そこで、代わりに乗るのが「北八ヶ岳ロープーウェイ」路線です。
【電車】新宿8:00発あずさ号→茅野10:06
これに乗ると、茅野駅を10:20発のバスに乗れます。
【バス】茅野駅10:20発→石臼台別荘地11:03
上記の通り、蓼科山登山口バス停まではバスが届かないため、この時期の最寄バス停は「石臼台別荘地」となります。そこから車道を50分ほど歩き、蓼科山登山口に到着します。
このバス路線もこの時期本数が少ないです。本当は茅野駅を9:20発のバスがいいのですが、これは7月13日~11月4日の土日祝のみ(一部8月は運行)。そのため、私の家からアクセスすると最速で登山口に到着が12時前ということになります。遅い!
▼バス時刻表(PDF)※2019年版
https://www.alpico.co.jp/access/suwa/pdf/kitayatsugatake_20190427.pdf
▼バス会社・アルピコ交通HP
さて、土曜の朝、寝坊しました。
ただでさえバス本数が少なく到着が遅いのに、その上寝坊。もうダメだ!私はダメな人間だ~!と騒ぎながら大慌てで荷造りし(しかも荷造りも朝)なんとか新宿にたどり着きました。
▼これに乗ってなんとか出発。
【電車】新宿9:00発あずさ号→茅野11:11
【バス】茅野駅11:55発→石臼台別荘地12:38 予定より1本遅いバス。
石臼台別荘地バス停より、バスの進行方向だった道路に沿って約50分歩きます。こんな時間に車道歩きしている人いないですね。車道からもところどころ景色が見えて「頑張って家を出てよかった!」という気持ちが沸き上がります。
▼南八ヶ岳の峰々が見える
13:40蓼科山登山口(女神茶屋)よりスタート!
登山口にトイレもあるので利用してから行きます。登り始めがすでに午後!汗
4、蓼科山の山レポ
■登りはストイックにひたすら上を目指すスタイル
蓼科山登山口(女神茶屋)からの登りは大きな岩も多く、ずっと登りが続くストイックな道です。ちょっと男体山を思い出します。ストックは持ってきていますが、ここの登りではストックは邪魔なのでしまったままでOK。
登ったり下りたりはなく、ひたすら上へ上へ。疲れますがそんな時は後ろを振り返ると、南八ヶ岳が見える!
赤岳に応援されてる!と勝手に思いながら頑張って登ります。
何しろスタートが13:40なので、車で来ているピストンの方の下山時間。降りてくる人とすれ違い、「この時間から大丈夫?」と心配されます。そりゃそうですね、反省。
蓼科山はほぼ独立峰みないな山なので、一度樹林帯を抜けると景色がぶわぁっと広がり抜群の眺望です。
最後の岩が続くエリアになると山頂まであと少し。
16:00山頂
山頂は広く、雪はありません。登山口から2時間20分で登頂。汗かいたけど気持ちいい!疲れたけど達成感!遠く南八ヶ岳の山々が見えたり、景色が広がっていて開放的な山頂です。
▼三角点ありました。小屋が山頂から見える。
実はこれが、日帰り登山を除き、一人で山小屋に一泊する初めての山行でした。
危険なところは全くないし、10時間歩いたとかでもないし、もう午後(というか夕方)だから雲も出てきてるという状況ですが、達成感がすごくて涙がでました。山で感動して涙でたのって何年ぶりだろう・・・。
いくつになっても「はじめての〇〇」ってポジティブなエネルギーを与えてくれますね。
あぁ山登り続けててよかった、朝ダメかと思ったけど頑張ってきてよかった、蓼科山選んだの正解だったな、てゆーかバスの時刻表とか一人で調べて私偉いよな、ああ山はいいなぁ。。。
なんてことを考えながら、山小屋到着の時間としては遅いため急いで「蓼科山頂ヒュッテ」にチェックインしました。
■蓼科山頂ヒュッテに宿泊
山頂エリアから山小屋が見えています。本日はこちらの蓼科山頂ヒュッテに宿泊します。
チェックインをして、まずは一杯。
まだ寒くはないので小屋の外のテーブルでのんびり。登った後のビールはうまい!
ゴールデンウィーク明けの最初の土日だからか翌日の天気がイマイチだからか、この日の宿泊客は私を入れて3組のみでした。
4人組の方と、ロンドンから来た(!)イギリス人カップルと私の3組。海外からわざわざ八ヶ岳まで来るなんてすごい調べてるなぁと感嘆。山好きの知人に日本のYATSUGATAKEを勧められたそうです。
蓼科山頂ヒュッテ 山小屋情報
□宿泊料金
●1泊2食 8,300円
●1泊1食 7,000円
●素泊まり 5,500円
インターネット予約すると200円割引があります。私は素泊まりにしました。
▼蓼科山頂ヒュッテ公式ホームページ
| 蓼科山頂ヒュッテ【公式サイト】八ヶ岳蓼科山の山頂に建つ山小屋
□水は有料、ペットボトルの水を普通に購入します。
□着替えルームあり。
□二階で就寝。宿泊客が少なかったのもありますがぐっすり眠れました。
小屋で売っていた手ぬぐいを買いました。オコジョが可愛い。
さて、自炊の夕食後。さすがに外は寒いので暖かい小屋の中で雑誌を読みながらのんびりします。
そしてこちらの小屋のすごいところは地酒のラインナップ。私もまだビール2本しか飲んでなかったので、お酒をいただくことに。一升瓶がたくさん並んでいる中から、小屋のお兄さんおすすめの地酒をお願いしました。
枡に「蓼科山頂ヒュッテ」が印刷してあってかわいい。
この後は、ロンドンから来たカップルと小屋番さんたちと一緒にお酒を飲みながら談笑し夜は更けていきました。山小屋で出会う一期一会が楽しいです。
■2日目。北横岳への縦走と下山
翌朝は北横岳方面へ出発です。
6:30 ヒュッテを出発。あいにくの曇天です。2日目は最初からストックを使います。
まずは蓼科山荘方面へ斜面を下りますが、それなりに斜度があります。ここでは軽アイゼンが必要でした。
昨日は雪のない道を歩きましたが、今日は日の当たらない道も歩くので結構雪が残っています。
今回の山行を計画した時、蓼科山頂ヒュッテと、頂上からくだった鞍部にある蓼科山荘のどちらに泊まるか悩みました。その蓼科山荘前を通過して、大河原峠方面へ林の中を進みます。
そもそもが蓼科山にはピストン日帰りで登る人が大半なので、北横岳方面に行く人はほとんどいません。蓼科山荘前で人にすれ違った後、一人も出会わずにこの後は進みます。静かな山行というか、曇天も相まって寂しい山行というか。。。
8:40 双子山に到着
双子山の山頂は開けていて見晴らしが良かったです。景色が開けたところに来ると、やっぱり清々しい気持ちになります。
前後に全く人がいないので、まだ大丈夫だよなとは思いつつ熊が怖い私。懐かしのJ-POPを歌いながら歩きます。
▲ここを一人で歩いていると熊とか出ないか心配になる。
9:15 双子池
双子池ヒュッテと双子池に到着。ここで小屋の管理人の方なのか、人の姿を見てほっとします。それにしても静かな山です。
亀甲池ではテントサイトがありました。林に囲まれた静かなテン場で、ここにテント張るのも楽しそうだなと考えつつ、やっぱり懐メロを歌いながら歩きます。
ここを過ぎると徐々に林の中に入っていき、森が暗くなってきました。
上の写真よりも更に斜面に雪も増え、足元を確認しながら一歩ずつ歩きます。
難しい場所はないものの、「ここで足をくじいたら多分一週間は誰にも発見されない」という強迫観念が襲います。ストックを使い、足を滑らさないようにゆっくり歩きます。そんなに大したことのない斜面でも、この絶対に怪我できないという思いでやたら疲れました。
疲れても一歩一歩。北横岳に近づくころには雨が降ってきたのでレインウェアをかぶります。
11:30 北横岳に到着。
以前来たときはパノラマが広がっていた山頂ですが、残念ながら雨で眺望なし。そそくさと坪庭方面へ降りていきます。
2月に来たときは一面の雪原だった坪庭も今は雪が解けて遊歩道がちゃんと出ていました。3か月で全く違う景色になっている坪庭で四季の移ろいを感じますね。
そして無事北八ヶ岳ロープーウェーに到着!
雨が強くなっていたので這う這うの体でロープーウェーに乗り、下山完了となりました。
4、蓼科山~北横岳縦走の装備
・軽アイゼン(蓼科山単独なら不要)
・ストック(同上)
・レインウェア
・手袋
今回の反省は、天気予報をみて大丈夫だろうと思ってザックカバーを持っていなかったこと。山の天気は変わりやすいし雨対策は必須ですね。ザックもだいぶ濡れてしまいました。
服装は↓
長袖Tシャツ/冬ズボン/レインウェア/ニット帽/ダウン
かなり暖かくなってきてます。
5、蓼科山登山の感想
蓼科山は道も明瞭、景色は抜群、達成感のある山でした。
のんびり一泊二日を楽しみましたが、ピストンで日帰りなら雪山の時期に登ると景色が綺麗そうです。
個人的には初めて一人で山小屋泊できて、人の少ない残雪の登山道を歩けたのもいい思い出でした。どちらかというと、グループで登るわいわい登山が好きでしたが、喋る相手がいないと「山と私、二人きり」という状態になるので登山に集中できる気がします。
初めての山小屋ひとり泊は大好きな八ヶ岳で。成功!
もう一年前かあ~。また行きたいです。
これから山は雪が解けて花の時期が訪れますが、今月もいい山行ができますように。
では!
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